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ポストコロニアルと中華思想

2009 年 3 月 5 日

現代中国の覇権思想は、19世紀後半から20世紀前半にかけての、列強支配による心理的ストレスが起因のポストコロニアル現象そのものです。それを「中華思想だ!」と非難する人は中国を知りません。中華思想とは元来、文化や礼儀を知る君子を頂点として、それに従わないものを野蛮、夷狄、蕃俗だと非難するものです。また巨大な万里の長城を作ったように、異民族はこっちに来るな!・・・という平和主義、鎖国主義的な思想です。

例えば、日本はかつて中国に朝貢外交してましたが、朝貢すると中国は数倍以上の回賜を送って返礼しました。宗主国が搾取して儲ける近代の帝国主義、植民地主義とはまるで違います。中華思想は平和秩序を重んじる、戦争を回避する、高度な安全保障システムでした。ぼくは現代中国には、この文化的で平和的な中華思想の本然を思い出して、発揮して欲しいと切に願います。

歴史の悲劇はポストコロニアルの中国がチベットを植民地化したこと。虐待された子供が親になると、同じように子供を虐待してしまう。その悲劇に似てます。


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