大坂の「粋」(すい)と江戸の「粋」(いき)

大坂では「すい」と読み、江戸では「いき」と読みます。同じ漢字でも、音と意味は異なります。

江戸の「いき」は、また「意気」であって、「意気地なし」という言葉があるように、己の生きざまの気概を示す言葉。

大坂の「すい」は、「推」であって、この推とは、「推し量る」「推理する」「推量を測る」の推です。つまり相手の心を慮って行動することを「すい」といいます。

「すい」というのは、だから相手に伝わらないと成立しません。また相手の心を慮る行動ができない人間のことを「無粋」(ぶすい)といいます。無粋な人間は商売になりません。相手の心を読み解くのが商いの基本ですから。

自己の意思を断固として表明するのが江戸の「いき」。自らを犠牲にしてまでも相手の心を慮って行動するのが大坂の「すい」。

武士気質の江戸と、商人気質の大坂という都市の性格が、「粋」という言葉ひとつにも現れています。


2010年 1月 22日
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