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平成の忠臣蔵=はやぶさ

2010 年 9 月 20 日



はやぶさ、7年間の旅
http://www.nec.co.jp/ad/hayabusa/

忠臣蔵
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%A0%E8%87%A3%E8%94%B5

「はやぶさは平成の忠臣蔵ではないか?」。そう言いたくなるほど、この2つはドラマ、ストーリーの構造が似ています。

ご存知、忠臣蔵は浅野内匠頭の江戸城松の廊下の刃傷沙汰と切腹から物語がスタートします。赤穂藩の改易から赤穂城開城の受け渡し。御家再興の嘆願や大石内蔵助の「昼行灯」の放蕩や赤穂藩士たちの離散・・・。数々の問題、トラブル、艱難辛苦が発生して、それでも主君の仇討ちに邁進していく。やがて赤穂四十七士が結成されて、吉良邸討ち入り。見事に吉良上野介義央の首を討ち取りますが、将軍綱吉の命令によって、全員切腹。花と散ります。

「はやぶさ」もまったく同じようなトラブルに告ぐトラブルの宇宙航海でした。小惑星イトカワへの着陸失敗。化学エンジンの燃料漏れ。行方不明。通信不能。姿勢制御不能。キセノンガスの直接噴射による奇跡の姿勢制御。イオンエンジンの異常停止。壊れていないエンジン機能を組み合わせて動かすクロス運転による再開・・・。まさに満身創痍の状態でありながら、地球に見事に帰還。しかし小惑星サンプルを地球に届けるために大気圏に突入して、炎に包まれて火の鳥のように燃え尽きる。

目的遂行のためには、最後まで決して諦めなかった「はやぶさ」プロジェクトマネージャー川口淳一郎教授は、さしずめ忠臣蔵でいうところの大石内蔵助的存在で、そのプロジェクトチームは赤穂四十七士に他なりません。

日本人はこういう幾多の艱難辛苦を乗り越えて、集団が一致団結してプロジェクトを成功させ、しかしラストは悲劇(忠臣蔵だと切腹、はやぶさだと大気圏突入)で終わる・・・という物語が好きなんですな。日本人の心の琴線を打つ、平成の忠臣蔵=はやぶさ。その物語は、のちのちまで語り告がれ、愛されることでしょう。


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