第0次産業=観光の可能性

ぼくは観光の仕事に携わってます。そこで日々、思うことは、観光は第3次産業、サービス業に分類されてますが、本当は違うということ。観光はじつは「第0次産業」なんです。

いまは東北地方全体が大変なときですが、この危機を乗り越えたとき、宮城や岩手や福島を復興させる第一の手は、じつは第0次産業としての観光です。

なにもないまち。なくなったまち。残骸だらけのまち。

そんなものは見せたくないかもしれません。しかし、本当は見ないといけない。見せないといけない。そんなまちを歩くことが、とても大切なことになります。どうしようもない、恐ろしい「現実」を見てもらって、そこから、新しいまちづくりが始まりますから。

挫折したもの。失敗したもの。敗北したもの。それを見ることが必要なんです。素晴らしい世界遺産や綺麗な寺社仏閣もいいでしょう。しかし、人間のリアルな営みを見ないと、その営みは決して、よくならない。向上しない。また同じ失敗をしてしまいます。もしくは「臭いものには蓋」で放置、無視されてしまう。遊園地やリゾート地に遊びにいっても、自分のまちはよくなりません。それは単なる娯楽であって、観光ではないんです。

人間の営みは、すべてのはじまりは、じつは観光からスタートするんです。農業でも、工業でもない。「光を観る」(反語をいえば、それは「闇を認識すること」でもあります)ことから、すべてが、はじまる。瓦礫の山、残骸だらけとなったまちから見出される光とは、「希望」です。

いずれ福島、宮城、岩手でも、コミュニティ・ツーリズム(まち歩き)をやるべきだと思ってます。ガイドがいて、自分のまちを案内する。語る。それだけでいいんですから。なにもいりません(=だから第0次産業です)。ありのままをしゃべればいい。ここでなにがあったのか?そのとき、自分はどうしたのか?・・・それがもっとも有効的で、効果的で、前向きな、復興への道です。ぼくも、自分の仕事の合間に、いきますよ。東北のまちを見に行きます。歩きにいきます。お金を落としにいきます。

被災地で活動する、まちづくり、観光、ツーリズム、NPO、すべての人々に。いまはまだ大変でしょうが。この危機を乗り越えたあとに。新しい、素晴らしい、まちを再建してほしい。


2011年 3月 16日
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