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2011 年 9 月 7 日 のアーカイブ

難波八十島

2011 年 9 月 7 日 Comments off

大阪はいまは陸地化してますが、かつては「島」だらけでした。地名にその名残があります。柴島、都島、堂島、福島、加島、御幣島、出来島、姫島、酉島、歌島、四貫島、恩加島、岡島、池島、桜島・・・。淀川と大和川が注ぎ込む大阪湾は、土砂が堆積して、ポコポコと島が生まれていった。これを俗に「難波八十島」といいます。

記紀神話の中でイザナギとイザナミが「国産み」をする伝説がありますが、これは難波津、難波八十島の光景そのものと確信しています。イザナギとイザナミの国産みの舞台は淡路島なんですが、淡路島から東の大阪湾を眺めていると、時が経つにつれて、次々に砂洲、島ができていった。古代人によって、じつに神秘的で、不思議な光景だったんでしょう。「そうか。こうやって国土は生まれいくのか・・・」と古代人たちは思い、それが国産み伝説につながっていった。

瀬戸内の島文化圏の最東端。それが難波八十島。大阪人とは「島の民」の後裔といってもいい。

ちなみに天皇家の幻の秘祭で「八十島祭」というものが、かつてありました。これは天皇が代替りをすると必ず催行されたものですが、勅使が都(奈良、京都)から難波津、難波八十島にやってきて、新天皇の衣を振る・・・という神事でした。

難波津、難波八十島の地とは、国土を次々と生み出す、神秘的な「国産み」の聖地です。その聖なる土地で衣を振ることで、国土造成の神々の魂を授かり、それを新天皇が纏うことで、初めて、正式に、日本の国土の王として迎え入れられたわけですな。古代より行われていましたが、鎌倉政権の勃興で天皇家、貴族たちが没落すると、資金がないという理由で途絶えてしまいました。

大阪、難波津は、そういう神話、伝説の土地柄です。


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詩的な、余りに詩的な!

2011 年 9 月 7 日 Comments off



※画像は花巻市の「羅須地人協会」です。

「詩は歴史性に対して垂直に立つ」とは稲垣足穂の名言ですが、それを見事に具現化した天才詩人が、ぼくは宮沢賢治だと思ってます。

また賢治は上昇する角度が半端ないです。鳥や飛行機のそれではない。ペンシルロケットのように、どこまでも、まっすぐに、垂直に、飛翔していく。

「われらに要るものは銀河を包む透明な意志 巨きな力と熱である」
(宮沢賢治『農民芸術概論』)

詩的な、余りに詩的な!


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