酔狂

浪花が産んだ「粋」(すい)という都市文化は、その根底にナンセンスというか、無常というか、虚無というか、ブラックホールが横たわってますから、その情熱は、とどまるところを知りません。いきつくさきは「酔狂」(すいきょう)です。最期は狂うしかない。男と女はみんな恋愛に狂って「心中」する。恐ろしい世界。

江戸は「粋」(いき)という都市文化を産みましたが、「粋狂」(いききょう)という言葉はありません。ちゃんと納めるんですな。粋(いき)という文化は。破れない。綻ばない。狂わない。要するに「切腹」こそが、ぼくは粋(いき)の文化の最たるものだと思ってます。

あ。あと「粋」(すい)に憧れたのが太宰治で、「粋」(いき)に憧れたのが三島由紀夫やないかと、ふと思ったり。近代人にはムリなんですよ。心中も。切腹も。その証明が、このふたりの死なんでしょう。


2011年 12月 20日
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