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釜ヶ崎の光景

2012 年 1 月 17 日

祖父は松尾橋梁。父は日本電機研究所。陸奥家の男は二代続けて理系エンジニア(ぼくだけ観光屋で文系ですww)やったんですが、祖父にしろ、父にしろ、土日となると電車にのって、ぼくを連れて行ったのが日本橋、新今宮、萩之茶屋界隈。要するに祖父も父も「ドロ市めぐり」が大好きで、子供の頃はドロ市こそがぼくの遊び場でした。ようわからん道具やパーツや機械があっちこっちに転がっていて、テキトーにあれやこれやいじるのが楽しかったですな。

そういえば、いっぺんドロ市の店先でネジを眺めていて(ネジにも大きいのやら小さいのやら長いのやら短いのやら、ようさんネジがあるんですわ)、あんまりにも熱心にネジを見ているので父親に「なんや?ネジほしいんか?こうたろ!」いうてネジを何本か買ってもらったことがありました。ネジだけ買ってどないすんねん?どないしようもない。しかし、ぼくは、ネジを眺めているだけでも楽しかった。あのネジ、どこにいったんやろか?いつのまにか、なくしてしもた。置いとけばよかったなぁ。

あのオモチャ箱をひっくり返したような輝かしいドロ市がなくなったのは、返す返すも残念。ぼくの中では、あれこそが「釜ヶ崎の光景」でした。汚いとか怖いとか、まるでない。むしろ、万華鏡のように、美しかった。


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