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2012 年 5 月 20 日

名著です。80年代はこういう本が作れたんですな。バブルの恩恵ありがたや。

達磨大師は「如是我聞」(我は是の如く釈迦の教えを聞いている=要するに釈迦の弟子たちのまた聞きをまとめたものですww)な大乗仏教を悉く唾棄して、釈迦の原点に返ろうとして禅を起こしました。まさしく富永仲基の加上の法則ですな。

そして禅の面白いところは「不立文字」であること。○△□は○△□であるから○△□以外に表現できない。○△□でしか伝えることはできない!

すごくシンプルな考え方ですが、しかし仏や鬼や聖や悪を伝えるには、仏や鬼や聖や悪そのものになれ!という覚悟が必要で、そんなのは常人には到底ムリで、じつに恐ろしい宗教でもあります。

表紙は白隠が描いた達磨図。眼が完全にいってますが、これこそが白隠の眼でしょう。静かな狂気の中で粛々と達磨を描いたにちがいありません。怖い・・・。


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