「まわしよみ新聞」は「新聞+他者との会話」という情報メディアだからでこそ、面白いといえます。

情報メディアにはそれぞれ特性があります。例えばラジオは「地域性」や「世代性」が非常に強い聴覚メディアで、ユーザビリティに優れています。地震や災害で家を失ったりしてもラジオは簡易な装置で受信可能で持ち運びなどもしやすいので、阪神淡路大震災や東日本大震災のさいには非常に重宝されました。但し「地域性」や「世代性」に特化してるがゆえに視聴者数は少なく、マスメディアとパーソナルメディアのあいだに位置する「ミドルメディア」という言い方もされていますが、実際にテレビやネット、新聞といったマスメディアほどの影響力はありません。

テレビは聴覚のみならず視覚にも訴えかけることが可能な「視聴覚メディア」で、非常に「情報伝達性」のあるメディアです。視聴者数も非常に多く、まさに「マスメディアの王」でテレビで報道されたとなると、世間に対する反響力も非常に大きいものがあります。しかし情報伝達性が強すぎるがゆえに扇情的なメディアで、理性的判断を鈍らせる怖さ、危険性もあります。また情報の送受信にも非常にコストがかかるメディアで、情報発信をするには非常に敷居が高いメディアで、一部の人々のみにそれが可能であるという「特権メディア」の側面もあります。

ネットは「情報検索性」「効率性」の高いメディアで、自分が知りたいと思うような情報がすぐさま入手できるメディアです。ある種のスキルは必要としますが、ホームページやブログ、ツイッター、SNSを始めれば、簡単に誰でも情報発信が可能という「パーソナルメディア」でもあります。但し情報検索性、効率性が優れすぎているがゆえに「情報のメタボ化」「情報の偏食」が起こりえます。肉ばかり食べていると健康を損なうように、自分の好きな興味・関心のある情報ばかりを入手していると、どんどんと自分の世界を狭くしていき、社会性を損ねていきます。さらにいえばだれでも情報発信が可能なパーソナルメディアであるので「誤報」「デマ」「詐欺」も非常に多いメディアです。

新聞は、もっとも「社会性」「総覧性」を有しているメディアです。「新聞朝刊の文字数は20万文字を越える」といわれたりもしますが、政治面、経済面、国際面、社会面、事件・事故、時事ネタ、コラム・書評、読者の投稿欄、広告、天気予報にテレビ欄、ラジオ欄と扱っている情報分野は多岐にわたります。但し「社会性」「総覧性」があるだけに、自分の興味・関心がある記事は少ないといった弱点があり「新聞を取ってるけど結局、読むのはテレビ欄だけ」といったような人も少なくありません。事実、いまの時代はインターネット偏重で、どんどんと「一億総情報偏食化」が進んでいるので、新聞の購読者数は減少してきています。ただぼくが一番、新聞の特性としてあげておきたいのが新聞は「紙のメディア」であるということ。つまり回し読みや持ち運び、切り貼りができるという「回読性」「可搬性」「可変性」に非常に優れているメディアなので、この特徴があるからでこそ「まわしよみ新聞」といったプロジェクトも可能となりました。

あと人間には「他者との対話」という情報メディアがあります。もっとも人間の感覚に訴え、刺激的で、意外性に満ち、カオスモス(混沌と秩序)で、自分の世界を広げる可能性に満ちているのが、この「他者との対話」です。

「まわしよみ新聞」は「新聞+他者との会話」という情報メディアだからでこそ、面白いといえます。

■まわしよみ新聞公式サイト
http://www.mawashiyomishinbun.info/


2013年 5月 1日
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