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補陀落渡海船

2013 年 8 月 26 日

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昨日の大蓮寺さんでの「自然」合同供養会での講話で、プロジェクターをセッティング中。プロジェクターに写ってるのは「補陀落渡海船」です。

かつて和歌山の補陀落寺からは「厭離穢土、欣求浄土」で、南方にある観音浄土にいきたいと、熊野街道から那智の滝を抜けて海に出て、そこから補陀落渡海船に乗り、死出の航海の旅に出た人が続出したとか。

これと同じように大阪でも、阿弥陀如来さまがいらっしゃる西方極楽浄土にいきたいと、上町台地から崖下の海へ投身して、数多くの人々が「日想観往生」を遂げました。

上町台地の崖下はいつしか陸地化し、都市化し、いまは下寺町という寺町になりましたが、その下寺町にある大蓮寺こそは、まさに阿弥陀仏によって西方極楽浄土が約束された土地です。大蓮寺や應典院の湧き出でるような場(トポス)の霊性は、こうした日想観往生者の無数の物語から産まれてきているとぼくは確信しています。

「阿弥陀仏と いうより他は 津の国の
浪華のことは あしかりぬべし」
法然上人御詠歌


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