じゃんけんの智慧

西欧人は物事を決めるさいにコインを投げるそうですが、日本人は「じゃんけん」をします。コインには裏表の二律しかありません。非常にわかりやすいんですが、これは色々と切り捨てで怖い。しかし、じゃんけんには「あいこ」なんてのがありえます。1回では決まらないことがある。三人でやれば「三すくみ」という絶妙なパワーバランスで均衡します。2回、3回、4回と何度も再チャレンジすることができる。そのあいだにグーをチョキに、チョキをパーに、と手を変えることもできる。考える時間が、猶予が、発想の切り替えが生まれてくる。

世の中を動かすには、コインの表裏(イエスとかノーとか勝ちとか負けとか儲かるとか儲からないとか)だけやのうて、どっちつかずの、曖昧模糊の、中空構造の「あいこ」「三すくみ」という「緩衝」が必要やと思ってます。混迷の時代です。みんな焦っている。迷っている。じつは右か左かわからないのに、右か?左か?と二律の選択を迫られることがあまりに多い。そうではなくて、こういう時こそ、じっくり考える時間が必要です。急ぎ過ぎの世界に、いまこそ、じゃんけんの智慧を。


2013年 11月 5日
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