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2014 年 4 月 4 日 のアーカイブ

コミュニティ難民の、セーフティネットとしての釜ヶ崎

2014 年 4 月 4 日 Comments off

団塊の世代。夜行の汽車で大阪や東京に出て、集団就職する。いやな上司がいる。殴る。会社を辞める。友人や同僚に相談すると「まぁ、釜ヶ崎でもいったらどや」。釜ヶ崎に来る。日雇いの仕事はアホほどある。そのうち仲間もできる。仕事はきついが、普通に生きていけた。

平成大不況の若者たち。会社を首になったら「行く場所」がない。「釜ヶ崎に行く」という選択肢が思いつかない。昔なら釜ヶ崎に行った。いまは「釜ヶ崎だけには行くな」「釜にいったら地獄やぞ」。マスメディアのイメージなどで釜ヶ崎の良さがまったく知られていない。伝わらない。行き場を失った若者たちはネットカフェ難民かホームレスになってしまう。

秋葉原で通り魔事件があったとき。Oさんは酔いながらいった。「可哀想に。釜に来たらよかったんや。ここやったら仲間もできたやろうに」。通り魔事件の犯人はネットで殺人の予告を何度も書き込み、誰からも止められず、無視され、荒らされ、ついに実際に犯行に及んだ。Oさんは「釜やったら誰かが止めてるわ」と。

コミュニティ難民の、セーフティネットとしての釜ヶ崎。現代社会にコモンズがあるとしたら、それはやっぱり釜ヶ崎で。もうちょっと、このまちの可能性を知ってほしいですな。


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