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新聞の特性を活かしたNIEを

2016 年 5 月 28 日

「新聞コンクール」「自分新聞」「テーマ新聞」「切り抜き新聞」などは大抵「テーマ」があって。作るさいにまず「テーマ」を決めてから作る。「まわしよみ新聞」の場合、それはありません。「興味・関心を覚えた」「面白いと思った」「なんとなく気になった」「なんやこれ?と目についた」・・・といったような記事を切り抜く。「テーマなし」「ノーテーマ」というのがまわしよみ新聞の最大の特徴で。さらに切り抜いた記事について「みんな」で話しあって壁新聞に再編集する。「ひとり」ではなくて「みんなで作る」(集合知を発動させる。どんな新聞ができあがるか?最後の最後まで誰にもわからないw)というのがこれまた大事なんですな。

「NIE」(教育に新聞を)で新聞を用いた授業は数多くありますが、大体、先生が「テーマ」(こんなこというとあれですけど、反戦とか平和とか憲法とかが多いようですw)を決めて、生徒「ひとり」に新聞を作らせたりするんですな。ひとりひとりに作らせるのは、そちらの方が生徒の新聞の出来具合がわかるので、成績をつけるのに都合が良いというわけです。作った新聞をみて、良い悪いと点数をつける(みんなで作ると個人評価はできない)。これ、たぶん、やればやるほど、新聞苦手、新聞嫌いの子供を増やすだけやないか?とぼくなんかは懸念を覚えてます。実際、ぼく自身が小学校・中学校で新聞作りをやらされましたが、まったく良い思い出になってませんww

もちろん反戦・平和・憲法といった教育は大事ですが、その教材にあえて新聞を使わなくてもええんやないか?と思うんですな。なぜならば新聞というのはもっと幅広く、もっと多種多様な記事が掲載されていて、社会全体の縮図であるから。実際、新聞の朝刊一紙で、30万文字以上、300本以上の記事が掲載されているとか。広告にコラム、料理、文化、映画、テレビ、ラジオ、囲碁将棋、野球、サッカー、スポーツ、投稿欄、書評、人生相談・・・ほんまにいろんな記事が掲載されている。

おそらく新聞の面白さ、可能性、魅力を知ってもらおうというのであれば、「新聞っていろんな記事とか広告とかが載っててオモロイなぁ」という体験の方が、なによりも重要かつ大事なことで。そのためには「テーマを絞って記事を選ばせる」なんてことはしてはいかんのです。テーマで絞ることで、新聞の面白さ、可能性、魅力が半減している。非常にもったいない使い方をしているとでしか思えない。

新聞は社会観、世界観を広げるというもの。テーマで絞るもんやないです。NIEの活動も、ぼちぼち方向転換の時期ちゃうかな?と思ってるんですが・・・。


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