35歳になりました
釈迦は仏陀加耶の菩提樹下に座して悟りを得る。『源氏物語』の光源氏は広大な寝殿造「六条院」を完成させ、紫の上、女三宮、散里、夕霧、玉鬘、秋好中宮、明石の御方、明石の姫君(娘)などを住まわせる。平清盛は父・忠盛の死去により平氏一門の棟梁に。親鸞は専修念仏弾圧(承元の法難)で越後に流罪となり、師の法然と再び会うことはなかった。信長は堺の会合衆を恐喝して二万貫を支払わせる。高山右近は秀吉の伴天連追放令に逆らい、キリスト教を捨てなかったため、城主をおろされて諸国を放浪。井原西鶴は大坂・生國魂神社にて一昼夜1600句独吟興行して「矢数俳諧」を創始。『好色一代男』の主人公・世之助は父親の遺産25000両が転がり込み、日本全国の遊里・遊郭で豪遊すると一念発起。モーツァルトはオペラ『魔笛』を初演し『レクイエム』の作曲中に死去。ナポレオンは皇帝に即位。ベートーヴェンはナポレオンを題材に交響曲第3番『英雄』を創作するが、ナポレオンが皇帝になったと聞いて激怒し、献辞を破り捨てる。上田秋成は怪奇小説『雨月物語』を書く。福澤諭吉は薩長軍と幕府軍(彰義隊)の上野戦争の砲声を耳にしながら、それらを無視して慶應義塾でウェーランド経済書の講義をする。河口慧海は仏教の経典を求めて、クン・ラ(峠)を密かに越え、ついに鎖国体制化のチベット西北原への入境に成功。柳田国男は岩手・遠野の民間伝承を佐々木喜善から聞書きして『遠野物語』を発表。ル・コルビジェは「ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面」などの「近代建築の五原則」を発表。直木三十五はペンネームを「直木三十三」から「直木三十五」に変える。安藤百福は大阪大空襲で自身の繊維商社「東洋莫大小(とうようメリヤス)」の全ての事業所や工場を焼失。司馬遼太郎は『梟の城』で直木賞を受賞。手塚治虫は初のTVアニメ『鉄腕アトム』の放送を開始。小松左京は傑作SF長編小説『果てしなき流れの果に』を執筆。開高健は南ベトナム戦線取材中にベトコンに襲撃され、200人大隊の中で生き残ったのは開高健を含む17人のみで、まさに九死に一生を得る。中内功は日本チェーンストア協会を設立して初代会長に。堺屋太一は「大阪万博」を実現させ、当時、日本の人口の約7割に当る6421 万人を動員させる。
35歳になりました。いろんな人生がありますな。ただただ感謝を。