大事なのは「少し足を止める」こと
古い正月の神事に「阿良礼走(あらればしり)」ってのがあります。「踏歌」ともいいます。大地を踏み、歩くことで地の霊(ゲニウス・ロキ)を覚醒し、喜ばせ、春を呼び起こす。「歩く」ことで、その土地、その場所、そのまちに眠る者(霊や死者や無縁さんや)を偲ぶ。踏みしめることが「歌」となる。歩くことは、ただ、それだけで供養であり、鎮魂であり、レクイエムなんですな。
また「歩」って漢字は「少し止まる」と書きます。大事なのは「少し足を止める」ことやと思ってまして。大阪七墓巡りは普段よりも歩くスピードが落ちます。みんなで歩くし、語りながら歩くから。30分かかる道が1時間かかる。1時間かかる道が2時間かかる。しかし、そうすることで日常(コミュニティの流れ)が破壊され、コミュニタス状態が派生する。
たったひとりで歩いているはずの四国のお遍路でも、隣には常に弘法大師がいて、共に歩んでいることになってます。同行二人。心の中の弘法大師と語り合うことで、ふと足がゆっくりになる。思考が間延びし、繰り返される。そうしているうちに、少し止まる。足だけではなくて、空間や時間そのものが変容する。1分は1分ではないし、1秒は1秒ではない。時間の針と針の「あいだ」がどこまでも拡張されていく。
生きることの豊かさとは、この「あいだ」をどれだけ体感できるかやないか?と思ってます。そして、この「あいだ」にいろんなものが入り込んでくる。死者も霊も無縁さんも弘法大師も、この「あいだ」にいる。
12月8日は成道会。お釈迦さんが悟りを開いた日。その日に太平洋戦争がはじまります。そして8月15日の盂蘭盆会に、日本は敗戦を迎える。集合的無意識?狙ったのか?選んだのか?ようわかりません。もしかしたら日本人は日本人が思っている以上に、仏教人であり、霊性を持った民族なんやということなんかも知れません。
今日も、少し止めるため、あいだを体感するため、大阪七墓巡りをやります。手塚夏子さん、大澤寅雄さんは「あいだにあるもの踊り」で、さらに「あいだ」を広げてくれます。面白いです。ご興味ある方はぜひとも^^
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【大阪七墓巡り2015】■8/15(土)19時より「無縁の民、踊る踊るvol.3~千日・鳶田を巡って~」
https://www.facebook.com/events/926185327419857/
今年の「大阪七墓巡り2015」は三夜連続で開催します。13日は「梅田」「南濱」「葭原」、14日は「蒲生」「小橋」、15日は「千日」「鳶田」と七墓跡を巡ります。また巡礼の最後は振付家の手塚夏子さん、文化生態観察者の大澤寅雄と一緒にゲニウス・ロキ(地霊)をテーマにした「あいだにあるもの踊り」を実施したいと思います。手塚夏子さん考案の不思議な踊りですが、誰でも簡単にできます。参加は「三夜連続」でも構いませんし、「1日だけ」の参加でも構いません。それぞれ、19時よりスタートして23時30分までには終わる予定です。ぜひともご参加してくださいm(_ _)m
■日時:8/15(土)19時
■場所:市営地下鉄「日本橋駅」中南改札口
■定員:各日30名
■参加費:カンパ
※「踊るさいに仮装するのもいいんやない?」というわけで、お面とか変な服(?)とかあれば、そういうのもご持参ください。みんなで賑々しく踊ってみましょう!^^
【特別協賛】アサヒビール株式会社.
【助成】公益財団法人 アサヒグループ芸術文化財団
古い正月の神事に「阿良礼走(あらればしり)」ってのがあります。「踏歌」ともいいます。大地を踏み、歩くことで地の霊(ゲニウス・ロキ)を覚醒し、喜ばせ、春を呼び起こす。「歩く」ことで、その土地、その場所、そのまちに眠る者(霊や死者や無縁さんや)…
Posted by 大阪七墓巡り復活プロジェクト on 2015年8月14日