應典院コモンズフェスタ2016 ■1/22(金)19時より「亀について語り、遊ぶ会~スッポン鍋を食べながら~」 https://www.facebook.com/events/909846999069841/
亀は面白い生き物です。のろい。おそい。2億年前の恐竜時代から亀の先祖はいたそうですが、その頃の小動物はとにかく早く動くことに命をかけてました。恐竜に食われないように、とにかくスピードをあげて逃げる。ところが亀は逆の方向に動きました。より遅く。より鈍く。そのかわり甲羅を背負ったわけです。弱肉強食の生存競争。みんなスピード競争に向かうときに、反対の目に賭ける。逆張りする。こういうアマノジャクな存在がぼくは好きですw
ムツゴロウ(畑正憲)さんのエッセイに亀の記述があります。手術で亀の心臓を取り出して心臓を調べた。亀はやっぱり脈も遅いそうですな。ふむふむなんてムツゴロウさんは思って、パッと手術台を見ると、亀がいない。なんと心臓がないのに亀は動いていた。血液の流れが遅いから心臓がなくなっても亀はしばらくのあいだはわからない・・・。
ミヒャエル・エンデの「モモ」にでてくる「じかんどろぼう」たち。彼らが必死に追いかけるけれども、たどり着けないのが亀です(「アキレスと亀」のゼノンの逆説の如く)。亀はそう。「時間の流れを変える」。
西洋やイスラムでいうところの天国とは、不死であり、つまり「永遠の時間」を約束する場所のことです。亀は時間の流れを変える=つまり永遠の時間を約束する。Stairway to Heaven(天国への階段)への鍵は亀が握る。しかし永遠の時間が続くことは地獄でもあります。「時間よ止まれ、お前は美しい」。ファウスト博士が悪魔メフィストフェレスとそう約束したように。つまり、亀はユートピアであると同時に、ディストピアの象徴でもある。
日本人にとっての亀というのは、やはり浦島太郎ですな。浦島が亀に連れられて、龍宮に行って帰ってくると、300年の時が経ていた・・・これももちろん時間を牛耳る異類神である亀の仕業です。また龍宮城という深海の彼方にあるという「異界」であり、それは暗黒の死の、タナトス的世界を想起させますが(この世の者とも思われぬ美しい乙姫さまが踊り狂う遊郭のようなエロス的世界観は、このタナトスの裏返し。表裏一体のものです)、そこを自由自在に行き来する亀こそは、まさに死者(彼岸)と生者(此岸)を繋ぐ霊器でもあります。
また面白いのが、『万葉集』に収録されている高橋虫麻呂作の長歌によれば、浦島太郎は「住吉の漁師」であったという伝説があることで、つまり浦島太郎は住吉津=難波津(我が国に浄土教が伝来して以降は、そこは西方浄土の、阿弥陀浄土の海となりました)の人。彼が亀とともに海に入っていったのは、現在の大阪湾なんですな。その大阪湾は長年の大和川、淀川の土砂流入や都市開発によって、はるか西に海岸線が後退しましたが、かつては上町台地の崖の下・・・つまり現在の應典院までが海=大阪湾であったわけです。
その應典院という場で、スッポン鍋を食べながら、亀(時間、異類、異界)についていろいろと考えたいと思います。また「亀卜の記録から漢字が産まれた」という伝承に基づいて、創作漢字の遊びもやります。「2016年のあなたの漢字」を創作します。参加費は1000円!(スッポン鍋が1000円で食べれます!w) 定員は15名で現在9名ほどの参加者がきてますので、残り6名。よろしければぜひとも!m(_ _)m
——————————————————-
■1/22(金)19時より「亀について語り、遊ぶ会~スッポン鍋を食べながら~」
https://www.facebook.com/events/909846999069841/
日本人なら誰でも御存知の浦島伝説。その浦島太郎は住吉在住の大阪湾の漁師でした。應典院のある下寺町も古代は大阪湾で、その地で亀について語ります。スッポン鍋を食べながら、亀の甲羅を用いた「創作亀甲文字遊び」も開催します!
■日時:1/22(金)19:00~21:00
■会場:應典院 1F研修室A
■参加費:1,000円(スッポン鍋代込み)
■定員:15名
■企画:陸奥賢(観光家) 秋田光軌(浄土宗應典院) 酒井清旭(NPOそーね)
■申込:「コモンズフェスタ2016特設ページ」
http://bit.ly/cf2016Turtle