歩くことは、ただ、それだけで供養であり、鎮魂であり、レクイエムなんですな。
古い正月の神事に「阿良礼走(あらればしり)」ってのがあります。これは「踏歌」ともいいます。大地を踏み、歩くことで地の霊(ゲニウス・ロキ)を覚醒し、喜ばせ、春を呼び起こす。歩くことで、その土地、その場所、そのまちに眠る者(霊や死者や無縁さんや)を偲ぶ。踏みしめることが「歌」となる。歩くことは、ただ、それだけで供養であり、鎮魂であり、レクイエムなんですな。
また「歩」って漢字は面白くて、「少し止まる」と書きます。「歩くこと」の本質とは「少しだけ足を止める」ことやと思ってまして。実際、大阪七墓巡りは普段よりも移動のスピードが落ちます。みんなで歩くし、ぼくも説明するし、わいわいがやがや語りながら歩くから。30分かかる道が1時間かかる。1時間かかる道が2時間かかる。しかし、そうすることで「日常の時間感覚」「日常の空間感覚」が破壊され、「みんなの時間感覚」「みんなの空間感覚」というコミュニタス(融和)状態が発生する。
たったひとりで歩いているはずの四国のお遍路でも、隣には常に弘法大師がいて、共に歩んでいるといいます。俗にいう「同行二人」。これは、ひとりだからでこそ、心の中の弘法大師と語り合ってしまうんですな。いつのまにか「いままでの自分」と思い出し、「これからの自分」を考え、問答してしまう。だから自然と足はゆっくりになる。お遍路は長いです。何度も何度も、いろんな問いが想起され、しかも、答えは出ない。
そうしているうちに、人は、ついに、少し止まりだします。思考が止まりだす。時間感覚や空間感覚もおかしくなってくる。暑くもなく、寒くもなく、ここが一瞬、どこだかわからなくなる。過去の自分が産まれた瞬間が見えたり、未来の自分が死んでいく光景が見えたりする。長いような、短いような、永遠のような、刹那のような。そういう妙な体験が起こる・・・これが「めぐり(廻り・巡り)」で、でもこれはそんな珍しいことではなく、「めぐり」をしたことがある人なら、誰でも一度は、こうした経験はあります。この「めぐり」に、また、いろんなものが入り込んでくる。無意識も死者も祖霊も無縁さんも弘法大師も、この「めぐり」の中にいる。
大阪七墓巡り復活プロジェクトは「めぐり」のプロジェクトです。来し方と行く末を同時に体感する。8/15は、また、いろんな意味で、そういう日にふさわしい。今日が最終日。ご興味ある方は、ぜひともm(_ _)m
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【大阪七墓巡り2016・第三夜】8/15(月)18時より「鳶田」「釜ヶ崎夏祭り慰霊祭」「千日」を巡る
https://www.facebook.com/events/286574341696719/
毎年恒例の「大阪七墓巡り」(主催:大阪七墓巡り復活プロジェクト)の2016年バージョンです。今年も三夜連続で歩きます・・・ですが、今年はストイックに「巡り」のみ(すいません。まったく予算がないんです。アーティストとかパフォーマーが呼べないww)。墓跡、まちを巡りながら、いろいろと話をしましょう。ご興味ある方、よろしければぜひともご参加してください。
■集合日時:8/15(月)18時
■集合日時:地下鉄「動物園前駅」4号出口地上
■ルート:動物園前駅→鳶田墓地跡→釜ヶ崎夏祭り慰霊祭→新世界→日本橋筋→千日墓地跡→道頓堀(解散)※終わってから、有志の方は、お店入って飲みましょうw
■参加費:カンパ(いくつかお地蔵さんやお墓を巡りますので、仏花とか線香とかあれば嬉しいです)
■先導:陸奥賢(大阪七墓巡り復活プロジェクト代表)
https://www.facebook.com/osaka7haka
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【大阪七墓巡りってなんやねん?という方】
もしよろしければ以下リンクの杉本恭子さんのインタビュー記事やぼくの寄稿(長文・悪文ですが・・・^^;)などを読んでみてくださいm(_ _)m
■彼岸寺:無縁仏が縁結び!? ”死生観光家”陸奥賢さんに聴く、日本一ディープな観光プロジェクト「大阪七墓巡り」(ライター:杉本恭子)
http://www.higan.net/news/2014/11/osaka-7haka.html
■應典院発行『サリュ・スピリチュアルvol.7』【宗教と観光の交差点 弱者へのコンパッション】(執筆:陸奥賢)
https://www.facebook.com/osaka7haka/posts/738154242913044