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2023 年 10 月 のアーカイブ

いわき時空散走、はじまります

2023 年 10 月 24 日 Comments off

いわき時空散走は「コミュニティ・サイクル・ツーリズム」です。コミュニティ・ツーリズムの自転車バージョンといったような意味で僕は使ってます。

僕は長く大阪・関西でコミュニティ・ツーリズム(まち歩き)の仕掛け人、プロデューサーとして活動してきました。コミュニティ・ツーリズムとは、ひとことでいえば「地産地消の観光」です。

観光というとコミュニティ外から人を呼ぶ、集客するという発想に囚われがちです。これは「大衆」(マス)に向けてのプロモーションなのでマス・ツーリズムともいいます。「大衆」は「顔が見えない人たち」といってもいいでしょう。

それに対してコミュニティ・ツーリズムは「コミュニティ内の人」…要するに「顔が見える人たち」で「身内」「知人」「友人」「同じまちに住んでいる人」「地域住民」などと一緒に「わがまち」を歩こう、巡ろう、楽しもう、遊ぼう、学ぼうというツーリズムになります。

コミュニティ外から人を呼ぶ観光を「外需の観光」だとするならばコミュニティ内から人を呼ぶコミュニティ・ツーリズムは「内需の観光」といってもいいかも知れません。

コミュニティ・ツーリズムにはいろんな効果があります。そのうちのひとつとして「わがまちを知る」ということが挙げられます。自分が生まれ、育ち、いま暮らしている、わがまちの歴史や文化や物語を知るということは、結果として自分という存在の意味や意義を考えることに繋がります。

人間は社会性の生き物です。想像以上に環境や風土というものに有形無形に影響を受けている。自分の周りの環境、風土を知ると、いままで自分の中にあったが認知されていなかった自己、自我をいろいろと発見します。自分の価値観や世界観、物事の捉え方、考え方、発想がどこから来たのか?その構成要素、環境因子のようなものがわかってくる。アイデンティティの始原がわかってくる。

自分という存在の中に「ふるさとの遺伝子」を観る。その自覚によって、はじめて愛郷心も育まれていきます。自分のまちだから、自分を育ててくれた地域だから、よりよい社会にしたいという意欲が自覚が芽生えるし、まちのプレイヤー、コミュニティの当事者となっていきます。

コミュニティ・ツーリズムのツアー参加者は、みんな同じ地域社会の一員なのだから、だから誰でも「わがまち」について語っていいし、そのまちに関する「思い出」や「記憶」や「想い」を多かれ少なかれ持っているだろうと思います。

いわき時空散走が、一緒にまちを巡る人を「サポーター」と呼ぶ理由はそこにあります。つまり「ガイド」ではなくて「サポーター」という呼称を使うのはツアーの主役はガイドではなくて「ツアー参加者全員」がツアーの主役になって下さい、いろんなお話をしてくださいというメッセージを込めています。

ツアー参加者同士が主体的に、能動的に、「わがまち」の知っていることや思い出話や「聞いたことある」程度の何気ない事を、自由闊達にお喋りし、語りあい、それをサポーターさんが聞き、広げていく。ある意味、サポーターさんはファシリテーターのような役割を果たします。

地域やまち、コミュニティに関係ない、携わっていない外部の大衆を相手にするマスツーリズムのガイドには、ある意味、地域やまち、コミュニティの代表者として、先生であり、教師であり、牽引役であり、ナビゲーターであり、なんでも知ってる郷土研究の第一人者であったりする必要がありましたが、コミュニティ・ツーリズムには、あまりそのような存在は必要ではありません。

むしろツアーの参加者は誰も彼もが、同じまちに生きる、まちの人同士なので、まちについて、もっと自由に語っていいはずです。参加者それぞれに「自分のまちはこういうまちなんだ」「こういうところが好きだ」「誇りに思う」「こういうところがダメだと思う」といった「まち語り」が許される。等身大のまちを語る。自分とまちの物語を語る。そういうツアーが可能ですし、それこそがコミュニティ・ツーリズムの醍醐味だといえるでしょう。

いわきの人たちが自転車に乗って、いわき中の多種多様なまち、地域、コミュニティを語り、楽しみ、遊び、面白がっていく。いわき時空散走は、そういうツアー参加者同士が和気藹々と「まち語り」をして、それを許容するコミュニティ・ツーリズムとして始まります。

ひとまず今年の秋は3コース。植田・佐糠・金山コース、小川郷コース、四倉・大野・玉山コースを巡ります。佐糠が実家のリナちゃん、小川郷で園長をやっている櫛田けいこさん、大野・玉山生まれ育ちで演劇の役者でもある松本さんがサポーターに。めちゃくちゃ面白いです。ぜひとも情報をチェックしてください。

■「いわき時空散走フェスティバル2023」開催!

https://note.com/noreruiwaki/n/na01c7ea5aa98


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堺市役所21階ロビーにて。さいとうたかを展。

2023 年 10 月 12 日 Comments off

大阪まち歩き大学!堺市役所21階ロビーにて。さいとうたかを展。無料。

さいとうたかをの「劇画」は日本の漫画界に彗星の如く、突然変異のように現れた。あれは和泉・信太山がGHQに占領されて(戦前、帝國陸軍の演習場であった。現在も自衛隊の駐屯地)そこに駐在していた米兵が読んでいたアメコミがルーツ。

さいとうたかをは堺・福泉あたりで生まれ育ったが、こどもの頃は、よく近くの信太山に忍び込んで米兵が読み捨てたアメコミ(10セントブックス)をコツコツと拾っていたらしい。

この手の10セントブックスは、いまでは貴重なアイテムとして高値で取引されたりするらしいが、当時は戦場で鬱屈している米兵の慰安のために作られた劣悪本、粗悪本に過ぎず、中身も基本、エロとグロとバイオレンスしかない。

しかし、それがさいとうたかをの劇画の世界を作り上げた。要するにディズニー的(それはつまり手塚治虫的な)な「カルフォルニア・ドリーミング」とは系統、出自が違うわけです。さいとうたかをの劇画には戦争とか国家といったリアリズムが常に背景にある。

生まれとか育ちとか大事ですな。人間はどうしても環境に影響される生き物ですから。


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谷町七丁目交差点東の御神木

2023 年 10 月 12 日 Comments off

大阪まち歩き大学!谷町を歩く。谷町七丁目交差点東の御神木。かつてはここに法妙寺があったが戦後に大東市に移転。いまはマンションになった。御神木は、その法妙寺の敷地にあったものと聞く。都市計画やら寺院の移転で、結果として、道路のど真ん中に御神木だけ残った。いまも巳さんがいるという。

ほんまは伐採する予定であったという話も聞く。しかし御神木を切ろうと斧を入れたら工事関係者に不幸が起こり、中止になったというような話も聞く。都市伝説の類のようにも思うが、よくわからない。
法妙寺は実は近松門左衛門の妻の菩提寺でもあった。なので近松門左衛門の墓がある。マンションの隅に追いやられている。

これを見るたびにみんな「え?!」と驚いて、わかっている人は「情けない…」という顔をする。ちゃんと国史跡(!)であるが、とてもそのような扱いには見えない。行政の大阪文化への無関心、無理解、無教養を感じて、まち歩きでは必ず訪れるようにしていますw


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ビッグイシューの共同慰霊碑

2023 年 10 月 12 日 Comments off

大蓮寺にて。ビッグイシュー日本さんの共同慰霊碑。ビッグイシューの販売員は過去、2000名を超えるとか。そのうち大体、1割の方がビッグイシューの販売で生活の立て直しができたそうです。ホームレス問題が大手マスメディア、マスコミでクローズアップされだした2003年にビッグイシューは創刊し、まさに社会貢献企業の先駆、パイオニアではないかと思います。

今年で創業20周年らしく仲間の販売員の方で亡くなる方も出てきた。しかし、いろんな諸事情で家族やふるさととは縁が切れていて無縁仏になってしまう人もいる。そういう方の終の住処、心の拠り所としてビッグイシューの共同慰霊碑を建てることになったようです。

大阪では下寺町の浄土宗大蓮寺。東京では山谷にある浄土宗寺院の光照院さんに共同慰霊碑が建立されました。ビッグイシューファンの方、関わりのある方、機会があればぜひともお参り、合掌してください。


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