大阪まち歩き大学!堺市役所21階ロビーにて。さいとうたかを展。無料。
さいとうたかをの「劇画」は日本の漫画界に彗星の如く、突然変異のように現れた。あれは和泉・信太山がGHQに占領されて(戦前、帝國陸軍の演習場であった。現在も自衛隊の駐屯地)そこに駐在していた米兵が読んでいたアメコミがルーツ。
さいとうたかをは堺・福泉あたりで生まれ育ったが、こどもの頃は、よく近くの信太山に忍び込んで米兵が読み捨てたアメコミ(10セントブックス)をコツコツと拾っていたらしい。
この手の10セントブックスは、いまでは貴重なアイテムとして高値で取引されたりするらしいが、当時は戦場で鬱屈している米兵の慰安のために作られた劣悪本、粗悪本に過ぎず、中身も基本、エロとグロとバイオレンスしかない。
しかし、それがさいとうたかをの劇画の世界を作り上げた。要するにディズニー的(それはつまり手塚治虫的な)な「カルフォルニア・ドリーミング」とは系統、出自が違うわけです。さいとうたかをの劇画には戦争とか国家といったリアリズムが常に背景にある。
生まれとか育ちとか大事ですな。人間はどうしても環境に影響される生き物ですから。
大阪まち歩き大学!谷町を歩く。谷町七丁目交差点東の御神木。かつてはここに法妙寺があったが戦後に大東市に移転。いまはマンションになった。御神木は、その法妙寺の敷地にあったものと聞く。都市計画やら寺院の移転で、結果として、道路のど真ん中に御神木だけ残った。いまも巳さんがいるという。
ほんまは伐採する予定であったという話も聞く。しかし御神木を切ろうと斧を入れたら工事関係者に不幸が起こり、中止になったというような話も聞く。都市伝説の類のようにも思うが、よくわからない。
法妙寺は実は近松門左衛門の妻の菩提寺でもあった。なので近松門左衛門の墓がある。マンションの隅に追いやられている。
これを見るたびにみんな「え?!」と驚いて、わかっている人は「情けない…」という顔をする。ちゃんと国史跡(!)であるが、とてもそのような扱いには見えない。行政の大阪文化への無関心、無理解、無教養を感じて、まち歩きでは必ず訪れるようにしていますw
大蓮寺にて。ビッグイシュー日本さんの共同慰霊碑。ビッグイシューの販売員は過去、2000名を超えるとか。そのうち大体、1割の方がビッグイシューの販売で生活の立て直しができたそうです。ホームレス問題が大手マスメディア、マスコミでクローズアップされだした2003年にビッグイシューは創刊し、まさに社会貢献企業の先駆、パイオニアではないかと思います。
今年で創業20周年らしく仲間の販売員の方で亡くなる方も出てきた。しかし、いろんな諸事情で家族やふるさととは縁が切れていて無縁仏になってしまう人もいる。そういう方の終の住処、心の拠り所としてビッグイシューの共同慰霊碑を建てることになったようです。
大阪では下寺町の浄土宗大蓮寺。東京では山谷にある浄土宗寺院の光照院さんに共同慰霊碑が建立されました。ビッグイシューファンの方、関わりのある方、機会があればぜひともお参り、合掌してください。