堺市役所21階ロビーにて。さいとうたかを展。
2023 年 10 月 12 日
大阪まち歩き大学!堺市役所21階ロビーにて。さいとうたかを展。無料。
さいとうたかをの「劇画」は日本の漫画界に彗星の如く、突然変異のように現れた。あれは和泉・信太山がGHQに占領されて(戦前、帝國陸軍の演習場であった。現在も自衛隊の駐屯地)そこに駐在していた米兵が読んでいたアメコミがルーツ。
さいとうたかをは堺・福泉あたりで生まれ育ったが、こどもの頃は、よく近くの信太山に忍び込んで米兵が読み捨てたアメコミ(10セントブックス)をコツコツと拾っていたらしい。
この手の10セントブックスは、いまでは貴重なアイテムとして高値で取引されたりするらしいが、当時は戦場で鬱屈している米兵の慰安のために作られた劣悪本、粗悪本に過ぎず、中身も基本、エロとグロとバイオレンスしかない。
しかし、それがさいとうたかをの劇画の世界を作り上げた。要するにディズニー的(それはつまり手塚治虫的な)な「カルフォルニア・ドリーミング」とは系統、出自が違うわけです。さいとうたかをの劇画には戦争とか国家といったリアリズムが常に背景にある。
生まれとか育ちとか大事ですな。人間はどうしても環境に影響される生き物ですから。
カテゴリー: 雑感