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大阪市文化財協会

2024 年 6 月 17 日

大阪市文化財協会が維新行政、大阪市によって解散させられようとしているとか。寝耳に水で驚いた。やりかねないとは思っていたが…。大阪府文化財センターと統廃合する予定という。

しかし大阪市文化財協会の仕事と、大阪府文化財センターの仕事は、方向性や性質、性格が違う。統合するとしても予算は現状維持にはならず、大幅カットされるのではないか。そうなると大阪市文化財協会にとっても、大阪府文化財センターにとっても改悪である。大阪の文化的損失は計り知れない。

残念ながら大阪は、経済的に凋落、没落の一方である。それも一朝一夕のことではなくて、遡れば戦前の挙国一致、大政翼賛体制によって東京一極集中化が国策によって強烈に推し進められた時代から、そういう流れは続いている。戦後日本も基本的に、そうした東京一極集中化路線(東京は頭脳、地方は手足に過ぎない)を踏襲してきたが、地方都市ナンバーワンの大阪は、ある意味、最大の犠牲者であり、その活力を根こそぎ奪われてきた。1970年の大阪万博なんてのは大阪財閥の実力でもなんでもなく、栄光の大阪財閥が官僚統制に屈したことの歴史的敗北の象徴でしかない。だから僕は嫌いです。大阪万博w

東京一人勝ち、大阪一人負けの状態(結局、地方都市は全て負け続けているが)。そのルサンチマンから大阪都(副首都)構想が生まれてきたのも、わからないでもない。わからないでもないが維新が提唱して推し進める大阪都構想の実質的な政策や中身は建設的な副首都構想でもなんでもなく、ただ単に外資のハゲタカに悉く行政インフラを売り飛ばすだけの売国政策であった。

結果、維新による大阪の経済振興は外資カジノ一本槍である。某大リーガーの通訳がハマっていたが、時代はオンラインカジノの時代であって、今更、日本の大阪に大型カジノを作って、そんな収益など上がるわけがない。仮に儲かるとしてもその大部分は外資に渡り、弱冠のオコボレが一部の維新政治家の癒着企業に渡るだけであろう。大阪全体の経済振興にはなりえない。結局、維新はいうてることと、やっていることが違いすぎる。羊頭狗肉すぎる。

維新行政の失政によって経済都市としてどんどんと劣化、転落していく大阪だが、しかし大阪のポテンシャルは経済的な部分だけではない。むしろこれからの時代に可能性があるとすれば、文化や歴史という部分だと個人的には考えている。

例えば現在、日本全国の研究機関で保管されている埋蔵文化財の出土品は約630万箱(出土品量を60cm×40cm×15cmの箱で換算するとか)だが、考古学も進化し続けていて、いまや年間、約30万箱づつ増加しているとか。

そして面白いのが日本最大の出土遺物量が多いのが実は我が大阪であり、その数はなんと約87万箱に及ぶという。次が福岡で約49万箱。その次が千葉で33万箱。京都27万箱、兵庫23万箱・・・と続く。

意外なランキングだが、しかし、大阪の文化財、歴史的遺物の出土量は、紛れもなく、この土地の古さと歴史と文化の厚みを物語っている。不思議なことだが記紀神話の舞台である出雲とか伊勢とか奈良とかは、そうした出土品は意外にも少ないとか。じつは人の営みの歴史としては、それらの土地は浅いということなのかも知れない。記紀神話は結局、勝者による歴史編纂(歴史改竄?)なので、それを読んでいるだけでは、こういう物証の事実はわかりませんな。

いずれにせよ、大阪は日本最大の古代都市であり、歴史都市であり、文化都市であるということです。文化財の出土量がそれを物語っている。そして、そういう文化財の発掘、保管、整理、研究、検証を行うのが大阪市文化財協会であり、大阪府文化財センターなわけです。

大阪という都市の可能性は、他都市にはない、日本有数の歴史の厚みや文化の多様性にあります。しかし、そういうイメージで大阪を捉える人がほとんどいない。非常に残念なことです。そして、そういうイメージであるので大阪市文化財協会の仕事や大阪府文化財センターの仕事も浮かび上がらない。

大阪は常に誤解され続け、間違い続け、失敗し続けている。いい加減、自分たちの足元をよく見て、その豊かさを知り、大切に継承し、守っていかないといけない。

いや、しかし、これだけ誤解して間違って失敗してるのに意外と飄々としているのも大阪の凄さではあるか。大阪的オプチ、偉大なりき。アホなだけかな?w


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