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恵方巻は悪くない。人間は、つくづく、度し難い。

2025 年 2 月 8 日

恵方巻は元は大阪の節分の風習ですが、あれは申村(大阪市此花区)が発祥で、花柳界に伝わり、戦後、海苔業界のキャンペーンなどで広がったものという(諸説あり)。大阪の北の方で盛んやった。

大阪の南、堺の人間からすると節分というとあびこ観音さんの厄除饅頭。酒饅頭、黒糖饅頭に「厄除」と文字が焼き入れられているだけ。これがまた素朴な味わいですが、うまい。ぼくはこどもの頃から食べてきた。恵方巻なんて大人になるまでやったことがないし、聞いたこともなかった。

恵方巻は日本全国のコンビニやらスーパーやらでやたらと喧伝され、大量に生産され、売れ残り、廃棄されて社会問題になっている。これはしかし経済とか環境の話であろう。

恵方巻というのはそれだけに留まらず、節分文化の均一化、画一化という文化破壊という側面も持っている。

節分の風習、慣習にもほんまはいろんな地域独自のもの、地域色、地域特性がある。知られていないだけで。そういうものが恵方巻の一大販売キャンペーンで淘汰されていく。

じつに度し難いですな。恵方巻は。いや。人間が度し難いのか。恵方巻は悪くない。人間は、つくづく、度し難い。


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