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和歌山・加太。由良要塞のひとつ、深山第一砲台跡。

2025 年 3 月 20 日

和歌山・加太。由良要塞のひとつ、深山第一砲台跡。

太平洋から大阪湾に進入するには紀淡海峡を通らないといけない。大阪湾に入られると大阪、京都、奈良、兵庫など日本でも有数の大都市があり、ここを占領されたりすると致命的なダメージとなる。幕末の黒船来航以降、紀淡海峡は日本にとって最重要防衛拠点のひとつとなり、周辺には様々な要塞、砲台、堡塁、弾薬庫、監視塔など軍事施設が作られた。

紀淡海峡も正確には3つの瀬戸(海の出入口)があり、「由良の瀬戸」「中の瀬戸」「加太の瀬戸」とあるが、そのうちの加太の瀬戸を守るのが加太にある深山第一砲台跡。明治中頃から1945年の太平洋戦争まで使用されていた。さすが帝國陸軍の要塞で頗る頑丈な作りで阪神淡路大震災などでも瓦解、倒壊などはなかったらしい。

敗戦から80年。まだまだ戦争(戦場)経験者もご存命でいらっしゃる。それほど遠い歴史ではない。この手の戦争遺跡も、ひっそりとではあるが残っている。大事に守って伝えていかないといけない。

なんでもかんでも大阪万博に結びつけるのもアレだが、今年2025年は「戦後80年」の大切なメモリアル・イヤーでもある。しかし大阪万博からは現状、寡聞にして、その手の話を聞いたことがない。記念事業などをやるのかな…?いや本来ならば絶対にやるべきですが。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」はビスマルクの言葉だが、歴史に学ぼうとしないものを愚者という。大阪万博の理念は「いのち輝く未来社会のデザイン」とか「未来社会の実験場」などというが、未来のことをどーのこーのいう前に、まずは過去のこと、先人たちの来し方、歴史を謙虚に学ぶという温故知新の姿勢や態度が必要ではないかと思う。

いや。ほんまに。まぢで。


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