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2025 年 5 月 23 日 のアーカイブ

【えびの時空散走】八幡神社さんの「雷ナンコ」(カンナレナンコ)

2025 年 5 月 23 日 Comments off

【えびの時空散走】えびの・飯野の八幡神社さんには「雷(カンナレ)ナンコ」という不思議な水神さまへの神事、祭礼があります。

享保水路という江戸時代、享保年間に作られた農業用水路があり、この水のおかげで、えびのに新田が開発されて、いまも盛んに米作り、野菜作りが行われています。まさにえびのの命の水です。

なので五穀豊穣の感謝と、今年もよろしくお願いしますということで、毎年、5月に水利関係の方々が水路の水源地の水神さまにお参りにいくんですが、その中で実施されるのがカンナレナンコです。

カンナレナンコが行われる水源地(えびの市ではなくて隣の小林市にあります)は不思議で、なぜか普段は水が枯れています。ところがカンナレナンコの神事を5月下旬にやり、すると6月頃からどこからか水が出てくるとか。そして秋になると、なぜかまた水が枯れてしまう。

雨の量とか天気なども特に関係ないそうで、なぜか6月から10月頃だけ水が出るという摩訶不思議な水源地です。なんでそうなのか?は原因不明やそうで、よくわからない自然現象なんですな。まぁ、まさしく神さまの水ということなんでしょう。

その枯れた水源地の前で、まず八幡神社の下東宮司が神事をし、そのあとに参拝者と一緒にカンナレナンコが始まります。水神さまの前の広場で、みんなで車座になり、そして榊を後ろ手に持って隣の方にどんどんと回していく。

そのあいだに車座の真ん中に雷神さま=鬼がいて、それが目隠しをして「ゴロゴロゴロゴロ…」と雷が近づいてくる音を再現し、タイミングで「ドーン!」と落命すると、その時に榊をもっていた人が次の雷神さま=鬼になります。

鬼になった人は車座の真ん中にやってきて、目の前に用意された焼酎を飲んで雷神さま(酔うことで自分でなくなる=神さまになるということなのか?)になり、「ゴロゴロゴロゴロ…」とやると、またみんなは榊を回し、「ドーン!」と雷が落ちて…というのを延々とやり続ける。そうやって焼酎を飲みながらカンナレナンコをしていると不思議なことに枯れている水源地から水が出てくるというんですな。

昔はほんまに水が出てくるまで、カンナレナンコをし続けて、焼酎を飲み続けたらしいですが、時代と共に簡略化されていき、いまは焼酎は飲んだふりをするだけです。物凄い山の中にある水源地なんで、みんな車でそこまで移動しているんで、焼酎飲んでまうと飲酒運転になってしまうんですなw

めちゃくちゃ興味深いといいますか、そんなオモロイ祭礼があるとは…ということで現地取材をしたんですが、今回、八幡神社の下東宮司や水利関係者のみなさまのご厚意もあって僭越ながら不肖、ワタクシ大阪人の陸奥賢もカンナレナンコに参加させて頂きました。いやあ、普通に楽しかったですww

これで来月にはカンナレナンコの水が出るはずですから。今年のえびののお米は、僕が参加したカンナレナンコの水も使われますから。今年の秋にえびのの新米が出たら、まぢで買おうと思いますw

※動画はカンナレナンコの様子。僕だけではなくてグンジさん、ことりさんもカンナレナンコに参加しました。改めて、下東さん、水利関係者のみなさま、ありがとうございました!m(_ _)m

※イラストはえびの時空散走のえびの飯野駅コースのマップです。カンナレナンコのことも記載しております。マップは来月、お披露目します!もうしばらくお待ちください。もちろんオープンソース、オープンフリーです。えびののコモンズ(共有財産)として、いろんな方に活用してもらいたいと思っています。



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