都市防疫は重要な政治、行政の仕事や思いますがね…。
大阪市の中央図書館にて大阪市公文書館の出前展示。環境がテーマの展示だが、これは確か以前に公文書館でやったもの。図書館予算がないからか公文書館の展示を回している?
大阪市は明治28年に桜宮に近代的な都市水道を設置するが、それまで大阪市民はコレラ、腸チフス、赤痢などの伝染病の蔓延に苦しめられ、戦々恐々と暮らしていた。
長い鎖国時代で日本人は外来の細菌、ウイルスに全く免疫がなかった。しかし黒船来襲以降の文明開花で外国人が多数、日本にやってきて、また外国人は平気でゴミやら糞尿やらをそのまま川などに流す。
江戸時代は大阪の大川、東横堀川、西横堀川、長堀川、道頓堀川ですら上水道であり、町衆は平気で道頓堀川の水を飲んでましたから。絶対に川の水を汚したりはしなかった。ゴミは紙屑屋に、人間の糞尿は大切な金肥で肥屋が持って行った。完全リサイクル社会やったんですわ。だから都市のど真ん中の道頓堀川の水でも綺麗で飲めた。古い文献には四ツ橋あたりは名水どころであったなんて話もあります。
それが外国人の襲来であっというまに川の水が汚染されて、病原菌が撒き散らかされて、日本人が多数、亡くなった。大阪市の場合、コレラは明治19年の大流行では7878名罹患して6537名が死んでます。致死率はなんと82.9パーセント。
数年前に新型コロナがなんやかんやと大騒ぎでしたが、致死率は全体では数パーセントほど。致死率80パーセント超えのコレラに襲われた当時の大阪市民のパニックと恐怖はいかほどであったか。近代的な上下水道の設立は緊急の課題でした。なので桜宮に水道が設立されるわけですが、都市水道の普及と共にコレラなどの伝染病は沈静化していきました。
その大阪市民の命を守ってきた水道管も近年はあちらこちらが老朽化しておるそうでして。いまや大阪市の水道管老朽化率は日本ワースト1位。何十年もこの問題は叫ばれているんですが、いつまでたってもなかなか改善しません。維新行政はそういう地味なインフラ整備とかにはまるで興味がないようで。
都市防疫は重要な政治、行政の仕事や思いますがね…。