大阪・せんなん里海公園にて。
http://www.osaka-park.or.jp/rinkai/sennan/main.html
京都(平安京)は中国の風水思想に則って、南北(朱雀大路)を中心軸とした都市として作られましたが、大坂城を作った太閤・秀吉は東西を中心軸にして都市整備を行いました。つまり秀吉は南北の道路(筋)よりも、東西の道路(通)のほうを大きい道幅にしました。大阪のメインストリートは南北ではなくて東西の道路だったわけです。
なぜそんな都市構造にしたのか?というと、大坂城を西に向かうと、大阪湾(海)にでます。秀吉は朝鮮半島や中国大陸といった海の彼方に対する領土的野心が強い人でしたが、その拠点として大坂を整備したので、こういう都市構造になったわけです。つまり大坂は「海にむかって作られた都市」というわけです。
都市の性格はハードウェア(都市整備)によって形作られます。豊臣政権がなくなったあとも大坂城(都市基盤)はそのまま徳川幕府に継承されたので、大坂は海上交通の要所、水の都として発展。日本の流通経済の中心地、「天下の台所」として長く繁栄したことはよく知られています。
大阪の特徴として海との関係性は切っても切れません。戦後の工業都市化や埋め立てによって、市中から沿岸部は遠くなりましたが、それでも大阪の未来は西(海)にあると確信しています。
明治40年(1907年)創業の堺の老舗和菓子屋さん。浜寺公園近くにある「松露だんご」のお店「福栄堂」さんです。
http://fukuedo.ld.infoseek.co.jp/
「松露」というのは松林に生えるキノコです。今では非常に貴重なキノコだそうですが、その昔、大阪・堺~高石の沿岸部はえんえんと松林が続いていて、じつに美しい白浜の景勝地で、松露などもよくとれたようです。福栄堂さんの松露だんごは、そのキノコに似ているから、そう名付けられたとか。だんごの中にキノコが入っているわけではありませんよ。素朴な味ですが、ぼくは大好きです。
http://www.osaka-park.or.jp/rinkai/hamadera/main.html
浜寺公園は、古代より美しい景勝地ということで明治6年に整備されましたが、じつはこれは「日本最古の公立公園」でもありました。ここには、あの文豪・夏目漱石が遊びにきていて、小説「行人」の中にちゃんと浜寺の光景が出て来ます。また与謝野鉄幹と鳳晶子(のちの与謝野晶子)が、歌会を開いたり、デートをした…というエピソードもあります。ちなみに当時の与謝野鉄幹は妻がいたので「不倫デート」でした。これは「公園で行われた日本初の不倫デート」やったかも知れません(笑)
ほかにはバラ園なども有名ですが、色んなドラマが込められた歴史ある公園。機会があれば「浜寺名物・松露だんご」を食べながら散策してみてください。
関帝廟といえば、中国の神さま・関羽をまつっている祠のこと。横浜や神戸、長崎といった中国とゆかりの深い港町などにはありますが、じつはあまり知られてませんが、大阪にも関帝廟があります。正式名称「黄檗宗 白駒山 清寿院」…通称「南京寺」がそれです。
http://www.kanteibyo.org/
江戸時代の1764年に出来たそうで、250年近い歴史を誇ります。横浜や神戸の関帝廟は明治維新以降に出来たものですから、それよりも古く、非常に由緒正しいお寺さんといえます。また「摂津名所図会」という江戸時代の大阪ガイドブックにも南京寺のことが記載されているので、江戸時代には大阪の観光名所のひとつであったようです。
知られざる大阪の名所スポット。拝観無料です。中国式のおみくじが面白いですよ。ぜひおとずれてみてください。
仕事でよく堺のまちを歩いてます。色んな名所を巡りますが、中でもオススメなのが80年ほど前の町屋を改装して、2007年11月にオープンした堺の観光施設「鳳翔館」。与謝野晶子の短歌の複製や鎧、かぶと、蓄音機、昔の堺の古地図などレトロ堺が満喫できるのですが、なんとここでは本物の堺火縄銃が展示されていて触ることが出来ます。
ぼくも持ってみましたが、めちゃくちゃ重かったです。腰をいわしそうになりました(笑)
なにわ名物開発研究会が主催する年に一度の大アワード「なにわ大賞」の記念式典「モダンシティふたたび」に招待されて参加しました。
http://www.naniwa-meibutsu.com/prize.html
http://www.naniwa-meibutsu.com/
なにわ大賞というのは大阪の芸能、文化にたいして、おもろい活動をやってる「いちびりな人」を、みんなで表彰しよやないか・・・というじつにユニークな有志団体です。選考委員には直木賞作家の難波利三先生、関西外国語大学教授の森一貫先生、元大阪市立大学教授の橋爪紳也先生、実行委員会には講談師の旭堂南陵師匠など錚々たるメンバーによって運営されていて、極めて「マジメ」なアワードでもあります。
「いちびり」というのはもちろん大阪の言葉ですが「市をふる」というのが語源とか。むかしは市場を仕切る人のことを「市ふり」といったそうで「市をふる」→「市ふり」→「いちびり」となったわけです。リーダーシップを取る、目立ってる、威勢の良い、よくやってる・・・というようなニュアンスが込められてる大阪弁といえます。
今年度で記念すべき10周年を迎えるそうで過去、総勢100名以上の方が受賞。火縄銃の保存会、万博グッズのコレクター、世界唯一のつまようじ資料館、平均年齢56歳のチアガールチーム・・・などなど、じつにバラエティ豊かで、「いちびった方」が勢ぞろいです。中には、あの「くいだおれ太郎」なんかも受賞してます(笑)
http://www.cui-daore.co.jp/top.html
大阪の最大の資源は「ひと」です。ヒューマンウェア。これだけはどこの都市にも負けません。
堺のコミュニティ・カフェ「パンゲア」にて。夕陽と堺港です。
http://www.pangea-sein.com/index.html
パンゲアは、ぼくのお気に入りのお店です。自宅(仕事場)からバイクに乗って、15分ぐらい。ここにくると大阪・堺は港町なんだなぁと強く認識します。
ちなみにオススメメニューは「タコライス」です。タコは入ってませんよ(笑)
お初天神にて。もう梅の花のつぼみが咲き始めていました。
ぼくは桜より梅が好きです。「ぱっと咲いて、満開のさかりに、ぱっと散る」という「桜の美学」は、よく武士道精神の発露と讃えられますが、ぼくは「最後の最後まで諦めずに枝に留まって老いさらばえて、あるべき一生を見事に終えてから、ようやく落ちる」という「梅の美学」が好きです。それはけっして無様でも無粋ではなくて、花として誠実であり、立派であるとぼくは思っています。
その性質から桜は東京の花という気がします。大阪は桜よりも梅が似合います。管公(菅原道真公)が「東風吹かば匂いおこせよ」と愛したのは梅の花でした。王仁博士が歌った「なにわ津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花」の花も、桜ではなくて梅のことです。梅は鑑賞できて匂いもよくて、あまつさえ食べられます。風流で経済的。じつに大阪人好みやないですか(笑)
大阪は梅の国です。大阪人は、梅の花のようにあらねばならないと思いますよ。梅の花のように美しく。強く。誠実に。立派に。
関係者様各位
平素は格別のご厚誼にあずかり、厚く御礼申し上げます。
AllAbout「家族で楽しむイベント(関西)」
http://allabout.co.jp/gs/eventkansai/
オフィシャルガイドの陸奥賢です。
さて、生活総合情報サイトAllAboutは、約500に細分化されたテーマごとに、ガイド(専門家、評論家、ライター)が情報提供するメディアとして、住宅、グルメ、健康、金融、旅行などさまざまな分野のガイドサイトを取り揃えておりますが、このたび大阪の情報を一元的にまとめた「All About 大阪」がオープンいたしました。
http://allabout.co.jp/gs/travelosaka/
大阪のグルメ、レジャー、イベント、観光情報などを発信、提供する大阪専門ポータルサイトで、大阪在住のガイドが現地取材をモットーにして、ユーザー(読者)視点で、情報を編集し、記事としてお届けしてまいります。
また既存の「家族で楽しむイベント(関西)」サイトは2008年3月をもって休止とさせていただきますが、代わって「大阪」サイトの新設によって、より「大阪」に特化した情報提供を行います。ユーザー(読者)の積極的なサイト利用と共に大阪レジャー観光を促すことで、大阪経済の振興、地域活性化に繋がるように奮励努力していく所存です。
ここに謹んでご挨拶申し上げますとともに、関係者様各位には、イベント案内、プレスリリース配信等の情報提供をお願いして、ご鞭撻を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
AllAbout「大阪」ガイド
http://allabout.co.jp/gs/travelosaka/
陸奥 賢
大江戸の火消し(Smoke on the Water:木遣りヴァージョン)
VIDEO
浄瑠璃、常磐津節によるスモーク・オン・ザ・ウォーターです。
浄瑠璃は中世の傀儡師から発展したもので、傀儡師は神に仕える存在でした。彼らは八百万の神々の言葉を「ことほぐ(言祝ぐ)」ことが求められました。だから浄瑠璃は今でも「語り」といいます。決して「歌う」とはいいません。
それで、この映像を見ていて、少し異様に感じられるのが、どの語りも一様に「無表情」であること。語りだけでなくて、三味も鼓も、みな無表情なので、一種、独特の迫力があります。これは日本の古典芸能の演者たちが、神と音楽は一体であると考えたことに起因します。つまり演者は、ただ、神の言葉を伝える役割(形代=かたしろ)に過ぎないので、そこに演者のヒューマニティ(人間性、感情)というのは求められなかったわけです。演者に求められるのは、ただひたすら「無私」の境地なんですな。
ここで注意してほしいのは「無私」であることは、しかし、決してヒューマニティの否定ではないということ。むしろ、完全なる、あらゆる感情を表現しようとすると、演者は無表情にならざるを得ないということです。人間の持つ感情、喜怒哀楽すべてを表現しようとすると、それは無表情でしかありえない。プラス(陽、正)の感情、マイナス(陰、負)の感情を全部足すとゼロになるのと同じ理屈です。
そういう全的なヒューマニティを表現するものとして、能楽には「中間表情」の能面があります。泣いているのでもない、笑っているのでもない、口を半開きにした、なんともいえない表情の能面です。これは舞台に出ると光線の加減で影になったり、光になったりして、様々な感情表現を可能にします。人間の全的な感情をいっせいに込めると、どうも人間というのは、こうした「中間表情=能面のような顔」になるようです。
西洋美術でいえばダ・ヴィンチの『モナリザ』。その謎の微笑みは、じつは「中間表情」に該当するものです。またピカソなんかは「泣いている横顔」と「笑っている正面」の顔を同時に描きましたが、これもモデルの全的なヒューマニティをなんとか表現しようとして悪戦苦闘してたどり着いた方法論なんでしょう。
ダ・ヴィンチやピカソといった超一流の西洋美術が到達した深奥な芸術表現が、日本の古典芸術の中には、既に当たり前のようにあるということ。それが、いまだに消えずに継承されていることは、我々の矜持です。
【大江戸の火消し(Smoke on the Water)】
俺たちゃ琵琶湖に行った 弁財天詣でさ
夜詰めの当番済まして 湯治も兼ねて
たまには上美女揃えて 杯重ねて
木遣りの声にも磨きを あてて帰ろうか
大江戸の火消し 空もはればれ
大江戸の火消し
琵琶湖じゃ畔の小屋で 芝居をやっていた
ちょいと覗いて行こうか 急ぎの旅でなし
江戸からの旅役者が はるばる来ていた
はだか火使って火が出て 俺たちの出番さ
火事場にゃ火消し 空には火の粉だ
火事場にゃ火消し
堺で祭りについてのシンポジウムをやります。僭越ながらぼくが講師として出ます。もしよろしければご参加ください。
http://www.sakai-nan-ya.net/2007/04.pdf
▼ディスカッション「時代の流れとこれからの祭り」
現在の地域社会の課題、これからの地域活性化・地域コミュニティの維持・発展において、「祭り」がどのような役割を担うべきか、活かしていくべきかを考える。
■日時:2008年1月20日(日)11時30分~15時(11:00受付)
○11時30分~13時00分:セミナー
講師:三上尚嘉氏(開口神社宮司)
陸奥賢氏(AllAbout「大阪」ガイド、フリーライター・カメラマン)
西田幸次郎氏(堺「まち・話そうよ会」会長)
○13時00分~15時00分:座談会(軽食付き)
総括:角山榮先生(和歌山大学名誉教授、堺なんや衆顧問)
■会場:カフェレストラン「スコーレ」
住所:大阪府堺市田出井町 2-1 サンスクエア堺内
TEL:0722-29-0373 FAX:0722-29-0373
JR阪和線堺市駅西出口徒歩 5分
※サンスクエア堺
http://www.sck.or.jp/sc/SSindex.htm
※カフェレストラン「スコーレ」
http://r.gnavi.co.jp/c445000/
■参加費:一般3000円(会員2500円) セミナーのみ参加 1000円
■申込み、お問合せ先
氏名、住所、電話番号・FAX番号、メールアドレス等ご連絡先をご記入の上 はがき・FAX、またはメールにてお申し込みくだい。HPからも申し込みが可能です。
http://www.sakai-nan-ya.net
市民活動団体「堺なんや衆」
〒591-8032 堺市北区百舌鳥梅町3-39-27
FAX:072-257-1934
info@sakai-nan-ya.net
http://www.sakai-nan-ya.net