「むらしずめ」「まちしずめ」のためのアートを

2013 年 7 月 4 日 Comments off

いま現在、日本の空き家率は13パーセント。野村総合研究所の報告書では、これが30年後には43パーセントになるとか。いまから30年ローンで家やマンションを買っても、ぼくが65歳のときには、なんと日本国中の家の半分近くに人が住んでいない。家の価格は一気に下落するだろうし、世の中はゴーストタウンだらけ。限界集落は「廃村」となり、もしかしたら「廃町」「廃市」なんて現象も出てくるかも知れない。

自分たちのむらがなくなる。まちがなくなる。そうならないために、日本全国どこでも一生懸命に「むらおこし」「まちおこし」をしてますが、この人口減少時代の荒波は、そう簡単には乗り切れないでしょう。また「むらおこし」「まちおこし」のために最近よく利用されるのが「なんとかアート・フェスティバル」や「なんとか芸術祭」で、むらやまちに若者を集めようと地方にアーティストを招聘して、レジデンスさせて、作品展示、ワークショップなどを繰り広げますが、なかなか土地の文脈にあってないし、一過性のものに終わることも多い。

ぼくが思うに、もはや「むらおこし」「まちおこし」のために、経済活性化のために、アーティストを地方に呼ぶのは間違いで、ほんまは「むらしずめ」「まちしずめ」のためにこそ、アーティストの仕事があります。明日、むらを解散する。まちが滅びる。そういうときにこそ、アートが必要となってくる。ひとが産みだしたものなんだから、ひとが死ぬように、むらも、まちもいずれ死ぬ。必ず死ぬ。しかし人が死ぬときに葬式という儀式や祭礼が必要なように、むらやまちを閉じるときにも、鎮魂と供養のための儀礼や祭礼が必要になってくる。そうしないと死者やネクロポリス(死の都)が浮かばれないですから。そして、そのときにこそ、アートが必要になると思っているんですな。アートにはそういう可能性があるし、その可能性を追求したいと思って「大阪七墓巡り復活プロジェクト」をやっていたりします。

画像は野村総合研究所「人口減少時代の住宅・土地利用・社会資本管理の問題とその解決に向けて」より。

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『マガジン航』編集人の仲俣暁生さんがコラム「Editor’s Note」の中でちょっとだけ「まわしよみ新聞」について触れていただきました

2013 年 7 月 2 日 Comments off

『マガジン航』編集人の仲俣暁生さんがコラム「Editor’s Note」の中でちょっとだけ「まわしよみ新聞」について触れていただきました。昨日のアサダくんのコラム「本屋はブギーバック 第4回 本でも音楽でも、“文化”を使い回そう!」に続いての登場なんですが、やたらと「まわしよみ新聞」公式サイトのアクセス数が伸びているのでビックリしましたw 仲俣さん、アサダくん、改めて、ありがとうございます!^^

ちなみに以下の文章は仲俣さんのコラムより。「マガジン航」とアサダくんの共同で「文化のリサイクル」「文化の使い回し」を実践するイベントを行うとか。めっちゃ興味あります。期待大!

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文化はどこから生まれるのか。期せずして同じテーマとなった先週末のシンポジウムとアサダワタルさんの記事は、あらためてその問いを突きつけてくれました。そこで「マガジン航」ではアサダさんと共同で、「文化のリサイクル」「文化の使い回し」を実践するイベントを近いうちにやってみたいと考えています。詳細は決まり次第に発表いたします。どうかご期待ください。

■『マガジン航[kɔː]』「Editor’s Note」posted by 仲俣暁生(マガジン航)
http://www.dotbook.jp/magazine-k/2013/07/01/editors-note-7/


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アサダワタルくんのコラム「本屋はブギーバック 第4回 本でも音楽でも、“文化”を使い回そう!」の中で「まわしよみ新聞」が紹介されました!

2013 年 7 月 1 日 Comments off

「本と出版の未来」を考えるためのメディア『マガジン航[kɔː]』(発行人・萩野正昭さん 編集人・仲俣暁生さん)に連載されている、日常編集家という名のコミュニティ難民&放浪芸人アサダワタルくんのコラム「本屋はブギーバック 第4回 本でも音楽でも、“文化”を使い回そう!」の中で「まわしよみ新聞」が紹介されました!

3月23日(土)に大阪のスタンダードブックストア心斎橋にて、スタンダードブックストア×マガジン航 presents「本屋でこんな妄想は実現可能か!?」というトーク&ワークショップで「まわしよみ新聞」と「まわしよみ教科書」についてプレゼンしたんですが、その件のことが書かれています。音楽美学者の渡辺裕氏は東京大学で「文化資源学」なる授業を行っているそうですが、「まわしよみ新聞」「まわしよみ教科書」などは「文化をリサイクル&リユースするプロジェクト」とのこと。「文化資源学」とは初めて聞きました。なるほど。おもろいですなぁw

なにはともあれ、アサダくん、ご紹介ありがとう!

■マガジン航[kɔː]「本屋はブギーバック」
第4回本でも音楽でも、“文化”を使い回そう!
http://www.dotbook.jp/magazine-k/boogieback_04/


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『がんばりすぎる人の「心のゆるめ方」 』著書でカウンセラー足立かよ子さんがブログで「まわしよみ新聞」についてご紹介してくれました

2013 年 7 月 1 日 Comments off

『がんばりすぎる人の「心のゆるめ方」 』の著書で堺市にある「カウンセリングルームReborn」のカウンセラー足立かよ子さんがブログの中で「まわしよみ新聞」についてご紹介してくれました。ありがとうございます~!^^

■がんばりすぎる人の「心のゆるめ方」 | 家庭通販 | PHP研究所
http://www.php.co.jp/family/detail.php?id=81105


■生きやすさのヒント!…vol.55
http://otayori.reborn.jp/?eid=65


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■6/29(土)10時より【全20駅制覇を目指して!古地図片手にJR大阪環状線まち歩き】第4回!森ノ宮駅から玉造駅を経て鶴橋駅まで歩く!

2013 年 6 月 28 日 Comments off

明日6/29(土)10時からは恒例の「古地図片手にJR大阪環状線まち歩き」の第4回目で「森ノ宮~玉造~鶴橋編」です。上町台地の東の崖地、猫間川沿いを歩くことになります。まさに「境界をゆく」ですな。

そもそも都市部で鉄道をひくとなると、線路のために土地買収が必要です。人の世の常として、なるべく安価に済ませたい。そうなると土地の安い部分を買い取っていく。なぜ土地が安いのか?というのは色んな理由や背景があります。都市の辺縁部であり、村はずれであり、湿地帯や悪田で、人が寄り付かない墓場や死刑場や遊郭など、なにか曰く因縁がある場所が自然と選ばれてしまう。JR大阪環状線はまさしくその判りやすい好例で、このまち歩きは、じつは大阪の「悪所(アジール)巡り」でもあります。

今回もいろいろと曰く因縁なところを歩きます。乞うご期待w

■6/29(土)10時より【全20駅制覇を目指して!古地図片手にJR大阪環状線まち歩き】第4回!森ノ宮駅から玉造駅を経て鶴橋駅まで歩く!
http://www.facebook.com/events/263093873828308/

古地図を片手に大阪の大動脈・JR大阪環状線を駅、線路沿いに歩いて、その界隈の名所・旧跡を知ろう!というプロジェクトです。第4回目は森ノ宮駅から玉造駅を経て鶴橋駅までを歩きます。

■集合日時:6月29日(土)10時(終了は12時半頃予定)
■集合場所:JR大阪環状線「森ノ宮駅」北口改札前
■参加費:1000円
■定員:15名
■ガイド:むつさとし(現代観光家)

※第1回は大阪駅から天満駅まで歩きました。
http://www.facebook.com/events/363644633751286

※第2回は天満駅から桜ノ宮駅を経て京橋駅まで歩きました。
http://www.facebook.com/events/343577679087425

※第3回は京橋駅から大阪城公園駅を経て森ノ宮駅まで歩きました。
http://www.facebook.com/events/495572393826037/


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「應典院寺町倶楽部」の専門委員になりました

2013 年 6 月 25 日 Comments off

いつもお世話になっております・・・の「應典院寺町倶楽部」の専門委員になりました。思えば2012年の「大阪七墓巡り復活プロジェクト」に秋田住職にきていただいて、そこから應典院さんとご縁ができて、秋には「應典院コモンズ・フェスタ2013」の企画委員に。その企画として「24時間トークイベント如是我聞」「葬食~盆とは皿を分けること~」「まわしよみ新聞」などが誕生して、とくに「まわしよみ新聞」は驚異的なスピードで日本全国あちらこちらに広がり(正直、このムーブメントは大阪あそ歩以上の速さと広がりです^^;)ぼく自身も驚いているのですが、この一連の動きは、要するに應典院という稀有な寺院がなかったら生まれていなかったということ。「檀家のいない、お葬式をしないお寺」という應典院のコモンズ・スピリッツに感化されて、それがぼくの中で醸成されて、産まれたものであるということ。

應典院専門委員になって、一体ぼくに何ができるのか?はちょっと未知数ですが、良い恩贈りをしたいものです。本当に感謝。

■應典院 – ひとが、集まる。いのち、弾ける。呼吸する、お寺。
檀家のいない、お葬式をしない、お寺。鉄とガラスとコンクリートで出来た「劇場寺院」が、まちと「呼吸」して、多彩な活動を展開しています。
http://www.outenin.com/


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「いつでも、どこでも、だれでもできるコモンズ・デザイン」のまわしよみ新聞は、「コモンズ(共、入会地)」を標榜してますから、当然のように「完全フリー&オープンソース」です

2013 年 6 月 24 日 Comments off

「いつでも、どこでも、だれでもできるコモンズ・デザイン」のまわしよみ新聞は、「コモンズ(共、入会地)」を標榜してますから、当然のように「完全フリー&オープンソース」です。まわしよみ新聞を勝手にやったからといってぼくは訴えたりしませんし、「使用料を払え!」なんてことをやりません(基本的に権利ビジネスはキライなんですww)みなさん、どうぞご自由に、いろんな場所(会社、店舗、コミュニティスペース、寺社仏閣、住み開き拠点、公園、原っぱ、空き地など)で「まわしよみ新聞」をやってみてください。いろんな発見があると思います。また公式サイトには「まわしよみ新聞の作り方」も公開していますので。これを見ながらやれば、大体うまいこといきます。何卒よろしくお願いしますm(_ _)m

■まわしよみ新聞公式サイト
http://www.mawashiyomishinbun.info/

■まわしよみ新聞の作り方
http://www.mawashiyomishinbun.info/manual/


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市民活動団体、NPO団体に必要なのは、広報誌を「まわしよみ」して対話する時間や場や機会を作ること

2013 年 6 月 22 日 Comments off

「縁活まわしよみ新聞@あべのハルカス局」第3号です。NPOの広報誌のみで作成したので「NPOまわしよみ新聞」になってます。

市民活動団体やNPO団体はよく広報誌を作成していますが、作成することにのみ力を注ぎ込み、その広報誌をちゃんと市民に読ませたり、広報誌を読んだ市民の声を聞いたり…といった「対話」ができていないのでは?という危機意識から、この企画が生まれました。大体どこの市民活動団体もNPO団体も非常に素晴らしい活動をしているのに、良い広報誌を作成もしているのに、結局、市役所や市民会館などに「平置き」しているだけで、哀しいかな、まったく市民は読んでいなかったりする。これはじつにモッタイナイ。市民活動団体、NPO団体に必要なのは、広報誌を「まわしよみ」して対話する時間や場や機会を作ることなんですな。

「NPOまわしよみ新聞」がそこを担うことができたらええなあ、と思ってます。

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■まわしよみ新聞の効果

2013 年 6 月 22 日 Comments off

「まわしよみ新聞やると、どういう効果が?」と聞かれたので、改めてサイトのご案内を。去年の10月から約8か月間、まわしよみ新聞をやり続けて、ぼくが徒然に思ったことをクドクドと書いてます。とりあえず以下のような効果はあるのかな?と。

■まわしよみ新聞の効果
http://www.mawashiyomishinbun.info/effect/

①自分の世界を広げるワークショップ・メソッド
②他者を理解するコミュニケーション・ツール
③プレゼン力を養う(カードバトル的面白さ)
④新聞=パブリック・メディア(世論)を、まわしよみ新聞=コモンズ・メディア(世間)にする
⑤誰でも参加できる(「アナログ的手法」による市民メディア)
⑥新聞によって「共有場=コモンズ」を作り、「ぼくらの新聞」にする
⑦「新読」ではなく「新聞」にする=新聞メディアの原点回帰運動
⑧新聞購入者が増える(「社会の公器」としての新聞応援企画)
⑨「他者」にアプローチする「いつでも、どこでも、だれでもできる」というコモンズ・デザイン
⑩「新聞+他者との会話」という情報メディア
⑪メディアの遊技者(トリックスター)を作る
⑫「脱・目的論的」であり「セレンディピティ」(偶察性)を楽しむ情報メディア
⑬大阪発の市民メディア


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関西学院大学の鈴木謙介(社会学部准教授)さんと白波瀬達也(社会学部教務補佐)さんと連携して、「まわしよみ新聞」の新しい企画をやることになりました。

2013 年 6 月 21 日 Comments off

来月7月9日ですが、関西学院大学の鈴木謙介(社会学部准教授)さんと白波瀬達也(社会学部教務補佐)さんと連携して、「まわしよみ新聞」の新しい企画をやることになりました。1945年から2012年までの終戦記念日(8月15日)の新聞を大学図書館のデータベースからプリントアウトし、それを持ち寄って1枚の「終戦記念日まわしよみ新聞」を作るというものです。

http://www.mawashiyomishinbun.info/archives/951/

終戦記念日という日はいろんな意味で象徴的な日です。毎年各社新聞は必ず15年戦争の特集記事を組みます。各新聞社によって政治的立場、思想、イデオロギーも違えば、その論調も年代によって変化していきます。それを一挙に、同時に可視化することで、1945年から2012年までの77年間分の「戦後日本民主主義の流れ」を俯瞰しようという壮大なプロジェクトです。

「新聞がどう終戦記念日を伝えてきたか?」ということがわかるし、さらに関西学院大学の社会学部の生徒さんがそれを読んで「まわしよみ新聞」を作るので、いまの若い人たちが終戦記念日という日をどういう日だと捉えているのか?というのが見えてくる。さらに関西学院大学は中国や韓国の留学生も多く、それらの学生さんにも参加してもらうので、「戦勝国の若者」から「敗戦国・日本の終戦記念日」はどう映るのか?・・・そのへんもこの企画で見えてくるのでは?と期待してます。

今回は関西学院大学との連携で、残念ながら関西学院大学の学生さんでしか企画に参加できませんが、ぼくもファシリテーターとして参加するので、その感想なんかは記したいと思います。

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■「まわしよみ新聞」で学ぶメディア~「終戦記念日」はどのように報じられてきたか~

■コンセプトと得られる効果
みなさんは毎年、8月15日をどのように過ごしていますか? 戦争のリアリティから遠い若い世代にとっては感慨もなく、通り過ぎてしまう日かもしれません。一方、新聞をはじめとするマスメディアでは、今日に至るまで8月15日に特別な意味付けをして報じています。この催しでは、まちづくりプロデューサーの陸奥賢さんが考案した「まわしよみ新聞」の手法を使い、1945年以降の終戦記念日(8月15日)に発行された新聞記事の1面を回読し、戦後日本社会のあり方を捉え直してみたいと考えています。大学図書館が所有する豊富な新聞記事データベースを活用することで、終戦記念日に対する社会的関心の経年変化や各新聞社の観点の相違などが発見できるでしょう。また、参加者が新聞記事を再編集することで多角的な視点・気付きが得られるでしょう。

■進行の手順
①プログラムが始まる前に、大学図書館の新聞記事データベースを利用し、終戦記念日に発行された1面記事のなかで自身が関心をもったもの(1945年〜2012年)を1〜3枚程度プリントアウトする。
②4〜5人で構成されたチームで各人が持参した終戦記念日の新聞記事を回読する。「どのような記事内容か?」「なぜその記事を選んだのか?」をチーム内で意見交換する。
③各人が持参した記事をチーム内で調整し、四つ切画用紙に配置。そこに意見・感想などを記入し、新たに新聞を再編集。どのような新聞が完成したかチームごとにプレゼンしあって終了。
※ まわしよみ新聞の詳細は右記URLを参照 http://www.mawashiyomishinbun.info/

■参加対象:関西学院大学 社会学部生(留学生大歓迎)

■ファシリテーター:陸奥 賢(まちづくりプロデューサー)
          鈴木 謙介(社会学部准教授)
          白波瀬 達也(社会学部教務補佐)

■当日持参物:終戦記念日の新聞記事(発行年不問、関学図書館のwebデータベースから検索・印刷)

■申込方法:以下の①か②の方法で申込受付。
〆切は7月8日(月13:30(先着20人)
① E号館1階 共同研究室にて受付(8:50〜16:50)[担当 白波瀬]


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