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2010 年 9 月 1 日 のアーカイブ

産経新聞:開高健氏が育った大阪の家が売却へ 旧友らが“別れ”

2010 年 9 月 1 日 Comments off

産経新聞の記事です。ぼくも、ついこのあいだ、大阪あそ歩ガイドの吉村さんのご案内で、開高さんの旧宅に入って、開高さんの妹さんから開高さんの思い出話などをお聞きしました。面白い間取りの家になってまして。開高さんの祖父が趣味で粋を凝らして作ったとか。モダンで、ハイカラで、開高文学のルーツを感じました。この旧宅はなんとか残して欲しいのですが。今年は開高さんの生誕80周年なのに・・・どうにかできないもんでしょうか?

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/art/435046/

芥川賞を受賞した「裸の王様」などの作品で知られる作家、開高健さん(昭和5~平成元年)が、青少年時代を過ごした大阪市東住吉区駒川の家が近く、不動産会社に売却される。地元では保存を願う声もあったが、資金面などから断念、解体される可能性が高いという。売却を前に1日、旧友や地域住民ら約50人が集まり、大阪が生んだ文豪をしのんだ。

家は約80年前に建てられた4軒長屋のうちの1軒で木造2階建て。開高さんはこの家に、7歳から22歳まで住み、旧制中学入学早々、父親を亡くしてからは母親、妹、叔母らと一緒に生活していたという。

開高さんは当時、周辺に広がっていた水田や草むらで遊んだ思い出や、家族でふかしイモを奪い合った貧しい暮らしなどを後の著作「破れた繭(まゆ)」「花終る闇」などに描写。この家や周辺での経験が、開高文学の原点になったといわれている。

家は、開高さんが関東に活動拠点を移した後も親類が所有していたが、3年ほど前から住む人がいなくなり、老朽化が進行。地元住民らから記念館や飲食店として活用、保存する案もあがったが、実現にはいたらなかった。

この日、親類が「最後の別れに」と家を開放。同級生や地元住民らが当時の思い出話に花を咲かせたり、写真に収めたりして開高さんをしのんだ。

旧制中・高時代の同級生で、学校帰りによく遊びに来ていたという金戸述さん(79)は「当時のまんまや。ここで、独学でフランス語を覚えた開高からフランスの小説や詩の話を熱心に聞かされた」。地元に住む吉村直樹さん(64)も「偉大な作家がここで育ったことを後世に知ってもらうためにも残したかった」と残念そうに話していた。


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