■10/28(水)19時より逍遙舎にて「亀について考える会~スッポン鍋をつつきながら~」 https://www.facebook.com/events/1075635469114505/
亀は面白い生き物です。のろい。おそい。2億年前の恐竜時代から亀の先祖はいたそうですが、その頃の小動物はとにかく早く動くことに命をかけてました。恐竜に食われないように、とにかくスピードをあげて逃げる。ところが亀は逆の方向に動きました。より遅く。より鈍く。そのかわり甲羅を背負ったわけです。弱肉強食の生存競争。みんなスピード競争に向かうときに、反対の目に賭ける。逆張りする。こういうアマノジャクな存在がぼくは好きですw
ムツゴロウ(畑正憲)さんのエッセイに亀の記述があります。手術で亀の心臓を取り出して心臓を調べた。亀はやっぱり脈も遅いそうですな。ふむふむなんてムツゴロウさんは思って、パッと手術台を見ると、亀がいない。なんと心臓がないのに亀は動いていた。血液の流れが遅いから心臓がなくなっても亀はしばらくのあいだはわからない・・・。
ミヒャエル・エンデの「モモ」にでてくる「じかんどろぼう」たち。彼らが必死に追いかけるけれども、たどり着けないのが亀です(「アキレスと亀」のゼノンの逆説の如く)。亀はそう。時間を変える。
天国とは、不死であり、つまり永遠の時間を約束する場所のことです。亀は時間を変える=永遠の時間を約束する。天国への入口は亀が握る。しかし永遠の時間が続くことは地獄でもあります。「時間よ止まれ、お前は美しい」。ファウスト博士が悪魔メフィストフェレスとそう約束したように。つまり、亀はユートピアであると同時に、ディストピアの象徴でもある。
「蚕(おかいこさまカフェ)」「狸(淡路アート狸プロジェクト)」「鯰(なまずさま生活)」とやってきましたが、次は亀に挑戦しますww そこでまずはスッポン鍋を食べながら亀について考えたいと思います。よろしければぜひとも!m(_ _)m
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■10/28(水)19時より逍遙舎にて「亀について考える会~スッポン鍋をつつきながら~」
https://www.facebook.com/events/1075635469114505/
■集合日時:10/28(水)19時
■集合場所:大阪市営地下鉄「東三国駅」北改札口
※逍遙舎までは陸奥が案内します。
■定員:12名
■参加費:1000円(飲食持込み大歓迎!)
■シェフ:酒井清旭シェフ(料理名人!)
※亀について
①エジプトの神・アペシュは亀の神様。「夜」「暗闇」「悪」を表す。頭が亀。太陽神ラーの宿敵。
②飛鳥の亀石。南を向いているが西を向くと大洪水になるという伝説。
③今昔物語。長者が亀を救うと大洪水を知らせてくれて助かる話がある。
④年号の霊亀は、北斗七星の亀がでてきたから。神亀、宝亀などは白亀がでたから。
⑤瓢箪亀。南方熊楠の報告。生きた亀の腹に鉄線を巻くと瓢箪型になる。
⑥古文献の亀のエピソードの多くは飛鳥時代、奈良時代。平安時代になると減る。亀の地位が下がる?亀は道教の神。仏教の影響か?
⑦大内家は亀が大好き。亀を獲るのを禁止。獲ると追放。亀を保全した。
⑧現在の中国では亀はイメージが悪い。亀と鬼と音が同じ(キ)なので。
⑨出雲大社の神紋は亀甲紋。松尾大社の神使いは亀。妙見さんは亀に乗ってやってくる。
⑩摂津名所図会。大阪の敷屋町で亀祭りがあったという記述。
⑪藤田男爵。大亀香合を9万円で買い、大喜びして他界。
⑫全国の漁村。網に亀がかかると海神として酒を飲ませてまた放流させる。大漁になる。
⑬じつは亀を食べる漁村は珍しい。遠洋漁業のカツオ漁の村はやる?食べ物に困るから??謎。
⑭出歯亀=池田亀太郎。明治10年に風呂帰りの女性を暴行殺害。女湯をのぞく。亀の好色はこのイメージも?
⑮ギリシャ神話。ヘルメスやアポロンの楽器は亀の甲羅で作った竪琴(ハープ)。マンドリンは元はラテン語でテストゥードで亀の意味。ヴァイオリンもギリシャ語でケリスで亀の意味。楽器=亀。
⑯エジプト。陸亀がたくさん姿を表すとナイル川が増水する。
⑰河童は頭に皿。背中に甲羅。亀の妖怪。
⑱ガメラ。北極海の下で800年眠るが原爆で目覚め、エネルギーの石油やウランを求めて荒れ狂う。1965年大映。
⑲亀は哺乳類に比べて10分の1の食べ物で暮らせる。数ヶ月の絶食も可能。ゾウガメは200年以上の長命の記録がある。
⑳盆、彼岸には死者供養で亀を放生した。江戸時代は道頓堀で売られていたらしい。四天王寺の亀はその名残とか。昔は亀の甲羅に「南無阿弥陀」と書かれていたのもあった。
㉑亀の蔵六。頭と尾と手足4本で六。仏教の六根と結びついた。目、耳、鼻、舌、身、意で六根。これを清浄にする。
㉒大阪・十三。亀甲焼。吉向治兵衛が創始。のちに江戸に住み、隅田川焼を始める。大阪吉向と江戸吉向。
㉓琉球。亀墓。亀甲墓。亀が母胎。そこに帰るという死生観。
㉔亀の子タワシ。明治41年に西尾正左衛門が考案。日本では大ヒット。しかし中国では在庫の山。ネーミングが悪かった。大損害に。
㉕日本の海亀はアカウミガメ。福島県から九州まで。浦島太郎が乗ったのもコレ。
㉖アカウミガメの産卵。海に近いと荒れない。台風が来ない。海から遠いと台風が来る。船は産卵場所より上に設置した。
㉗地中の温度で卵が孵る。温度が高いと雌になる。いま85パーセントが雌。地球温暖化の影響。
㉘川、沼、池にいるのはイシガメ。日本固有種。公園や社寺の池にいるのはクサガメ。ミシシッピーアカミミガメが戦後大流行り。チョコレート菓子の景品にペットとして輸入。それが野生化した。
㉙カメはカミから転じたというのが新井白石の説。つまり隠れ身=カクレミ=神=亀。
㉚浦島太郎の玉手箱。開くと老人になる。これは要するに「仙人」になる。神仙思想=道教思想の影響。
㉛北条氏は先祖が龍神の娘(亀姫か?)と結婚したというので家紋は三鱗。
㉜天皇の代替わりの大嘗祭。神酒の米を作る田圃の場所はいまだに亀卜で決める。
㉝動物埴輪になぜか亀はない。謎。縄文土器や弥生の銅鐸にはよく描かれている。埴輪のような死者供養には用いられない?長寿の生き物だから?
㉞亀卜は律令制で公式に。定員20名。対馬10名、壱岐5名、伊豆5名の三国から選ばれた。卜部(うらべ)氏。
㉟伊豆の卜部平麻呂。遣唐使に随行。亀卜の天才。吉田家の祖。吉田兼好はその子孫。
㊱亀卜に使うのは「浮かれ甲」。死んだ亀で偶然手に入るもの。亀を殺すのはあまりよくないが、庚申の日に殺す。雨露に打たせて3年さらして使う。
㊲律令制時代は宮中で1年に用いる亀甲は50枚と制限。
㊳麒と麟、鳳と凰、玄武(蛇と亀)。これらは雌雄同体の神獣。
㊴亀の甲羅は天(星宿図)。亀の腹が地(条里制)を意味する。つまり宇宙モデル。
㊵神武東征には亀、熊、烏が出てくる。案内人の神獣たち。海は亀、山は熊、空は烏を案内する。
㊶亀卜の記録から文字(漢字)が産まれる。
㊷亀卜と卜筮(ぼくぜい)では亀卜の方が重んじられた。王と大臣と庶民代表と卜筮と亀卜で物事を決めるが、亀卜は倍の価値を持つ。ちなみに亀卜の判断は3人の卜者(門外不出の専門家)でやる。
㊸当初は卜が強かったが荘子になると卜は用いない方がいいという記述。
㊹「卜」は亀裂のこと。
亀は面白い生き物です。のろい。おそい。2億年前の恐竜時代から亀の先祖はいたそうですが、その頃の小動物はとにかく早く動くことに命をかけてました。恐竜に食われないように、とにかくスピードをあげて逃げる。ところが亀は逆の方向に動きました。より遅く…
Posted by 社会実験塾「逍遙舎」(大阪市淀川区) on 2015年9月29日