大阪まち歩き大学。肥後橋を歩く。
肥後橋といえば金光教の玉水教会(そうなのか?)。いや、しかし玉水教会は奇跡の教会で、何が奇跡か?というと大阪大空襲で周りは完全に焼け野原になったのに、なぜか教会だけは無事であった。「新町から北はすべて焼け野原なのに、玉水教会だけがポツンと建っていた」という新町芸妓さんの回想の手記を読んだことがあります。
この奇跡を起こしたのが玉水教会の裏手にある荒光稲荷大明神さんという。ここのお狐さんは大空襲の時にやってきて見事に鎮火してくれたという。ほんまかいな?であるが実際に荒光稲荷さんの奉納画にその時の様子が描かれている。決して上手い絵ではないが味のあるテイストで好きですなあ。こういうの。
大阪大空襲だから当然、近代戦争ですが「空からお狐さんが飛来してきて救済してくれた」なんて不思議の話があるから面白い。
中之島香雪美術館にて。刀と拵の美。
村山香雪こと村山龍平は朝日新聞を日本有数の大新聞に発展させた最大の功労者であるが、元は和歌山・田丸藩士。武士出身者なだけに刀剣に対する思い入れは強い。本人の嗜好、趣味が走っていて美術品というよりも実用性を重視しているようなところがあって面白かった。
香雪はまず刀剣のコレクターとなり、やがて仏教美術、茶道具への興味関心に繋がっていったという。香雪美術館の原点として興味深い企画展でした。
【ON THE TRIP】去年12月に「堺のことを教えてください」とON THE TRIPさんに取材をお願いされて「黄金の日日」をテーマにまち歩きをして、それが音声ガイドになりました。僕の名前は出てませんがw よろしければご視聴ください~m(_ _)m
谷町まち歩き。谷町九丁目駅から徒歩約30秒の駅近寺院(?)が藤次寺さん。日本最大の木彫の地蔵大仏が制作されたそうで、いまもまだ大仏殿を工事中。中を覗くと、でっかい地蔵大仏さんが確かにいらっしゃいました。大仏殿が完成したらまた改めてお参りしたい。
藤次寺さんはご本尊が如意宝珠融通尊なので、よく「融通さん」と呼ばれる。如意宝珠融通尊は宝生如来のことで、本来は五智如来の構成メンバー。東寺の五智如来(戦隊ヒーローみたいでカッコいい)が有名だが、宝生如来がご本尊の寺院というのは日本でも珍しいらしい。
「融通」というのは何を融通してくれるか?というとお金ですw 融通さんは「お金を融通してくれる」ので大阪人から篤く敬われた。とくに昔は節分の時には融通さんにお参りしてご本尊を写した「白のお写し」と「金のお写し」の護符を買ったらしい。
「白のお写し」の護符は、お金がない人が買う。ここに融通(お金)さんが来てほしいと財布の中に入れたり、家の中に貼ったりしたらしい。
「金のお写し」の護符はお金持ちが買った。「もうお金がどっかに融通しないように」(お金がでていかないように)と護符で金庫を封印したというわけです。
プロレタリアとブルジョアに合わせて護符を用意していた。ドライというかなんというか。大人ですな。大阪の寺院は。いまは残念ながら「お写し」の護符などはない。あくまで戦前の信仰です。売ってたら買いますわ。もちろん「白のお写し」ですがw