アーカイブ

2024 年 3 月 14 日 のアーカイブ

越境のための道具

2024 年 3 月 14 日 Comments off

昔は大家族だったから親・兄弟・親戚一同の中に「いろんな人」がいた。「エリート」や「出世頭」もいれば「どうしようもない奴」や「大変な人間」もいたりした。一つ屋根の下で暮らしてるから、そういう人間になる「事情」も見ていて、察していて、よくわかっていた。そういう複雑な家庭に育った人たちが世の中に出て社会を作るから、社会にも、ある種のキャパシティがあり、寛容さが担保された。

いまは少子化、核家族化で「身内」に「いろんな人」が必然的に少ない。ある意味、平穏・平安な家庭で暮らして世の中に出るから、そこで初めて「いろんな人」に出会って衝撃を受け、拒絶反応が出てシャットダウンしたりする。理解が及ばない。自分の中にはいない「他者」と遭遇してクラッシュしてしまう。そういう人たちが増えていくと必然的に社会そのものから寛容性が失われていく。

平穏・平安な家庭に生まれ育ったことは、とてもいいことです。それがダメなことだとは全く思わない。ただ、だからでこそ「いろんな人」「他者」に触れる(触れてしまう)機会をどのように担保するか?が非常に重要になってくる。そして、それは結局のところ、自分の環境、世界観からの「越境」ということになる。

越境のための道具がアートだったり、観光だったり、逍遥だったり、巡礼だったり、遊びだったりする。そういう道具をたくさん持っている人は、やっぱり、人間に幅がありますわ。おもろい。そして、やさしい。


カテゴリー: 雑感 タグ: