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釈徹宗師と

2012 年 10 月 10 日 Comments off

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釈徹宗師とまつもとのりこさんとぼく。険しい顔をしているのは、熱弁をふるったわけではなくて、正座が長すぎて、足がしびれて、もうマヂ限界で、それをごまかそうと必死に喋っていたからですww

http://www.facebook.com/events/282690375179409/


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大阪大学で講義

2012 年 10 月 9 日 Comments off

今回、大阪大学で講義していて、いろいろと発見がありましたが、学術関係者の立場からすると、まだ我が国には観光学というものがちゃんと確立されていない・・・という強烈な危機意識をもってはるというのがぼくの中でのひとつの驚きでした。なんでも1967年に立教大学が観光学部を設立したそうですが、これはもとは「ホテル講座」だったとか。国立大学では2007年にようやく和歌山大学で観光学部が設立。そのあいだはほとんど、なんの動きもなかったそうで、これは観光学関係者にとっては「空白の40年」といわれているとか。ちゃんとした学問体系としての観光の在り様というものを、(一部の有識者を除いて)あまり誰も考えてこなかったということです。

これは結局のところ、観光を単なる「産業」として捉えてきたことの弊害です。長らく日本の企業や行政は観光とは「余暇の消化」や「非日常感を味わう機会である」などと考えて、金儲けやのために盛んに奨励してきたわけですな。田中角栄の『日本列島改造論』よろしく、ゴルフ場、海水浴場、遊園地、博覧会場、ハコモノ施設を作って、その場(トポス)の風土・地脈・文脈をまったく無視した愚かしいリゾート開発、都市開発で、自分たちのかけがえのない「まち」や「ふるさと」を粉砕してきたわけです。

しかし観光というものは、産業とか金儲けの道具という狭い範疇に留まるものでは毛頭なく、じつは自分たちのアイデンティティや都市や社会、コミュニティ、文化、文明の確認作業であり、さらにいえば人間存在の、生命の根源的行為であり、内発的欲求だということです。極論をいえば「ひとは観光することで、ひとになる」ということです。オーストラリア先住民族のアボリジニたちは「ドリームタイム」という彼らの神話を再現する観光をすることによって、子供から若者となり、人間になっていく。彼らはこれを「5万年前からやっている」といいます。釈迦も孔子もキリストも空海も芭蕉もランボーも柳田も折口もストロースも、みんな観光して悩んで大きくなった(@野坂昭如。古いww)。それほど観光というものは意義深いものということです。

ビジネス的観点や経済学だけではなく(いまだにほとんどの大学の観光学は「経営」「産業」「サービス」「流通」「商業」といった色合いの大学・学部・学科が多いです)、社会学、人類学、民俗学、芸術、哲学、宗教学によっても観光を捉える必要があるということです。そうしたアプローチは2000年代に入って、ようやく本格化してきたというのが現状で、まだまだ現在進行形なんだとか。どうも観光関係者(企業人、行政マン)の多くが「大阪あそ歩」や「まち歩き」現象を色んな意味でカンチガイしていて、これは一体どういうこと?と長らく疑問に思っていたんですが、問題の根は深いですな…。逆に考えれば観光学の研究や可能性の追求はこれから…ということで、そういう意味でいえば楽しみということなのかも知れませんが。

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大阪大学中之島センターで講師として登壇

2012 年 10 月 7 日 Comments off

本日はまち歩きリーダー養成講座「大阪あそ歩塾2012」。初めて大阪大学中之島センターで講師として登壇しましたw

さらに昼食食べようとセンター2階のカフェにいったら劇作家の平田オリザさんがいてビックリしました。オリザさんも今日はセンターで講師をしてはったとか。オリザさんと同時刻、同場所で、講師してると考えると、じつに妙な感じでしたな・・・。

http://www.osaka-asobo.jp/news#88


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大阪日日新聞さんの「大阪あそ歩観光庁長官表彰受賞」を伝える記事です。感謝!

2012 年 10 月 4 日 Comments off

大阪日日新聞さんの「大阪あそ歩観光庁長官表彰受賞」を伝える記事です。感謝!

http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/121003/20121003017.html

 市民がガイドを務め、大阪のまち歩きを楽しみながら参加者が歴史や文化に親しむ「大阪あそ歩」を主催する「大阪コミュニティ・ツーリズム推進連絡協議会」が、本年度の観光庁長官表彰を受賞した。まち歩き事業の受賞は初めて。ガイド役の市民からも喜びの声が上がっている。事務局は受賞を記念した参加無料のまち歩きを企画しており、参加を呼び掛けている。
同協議会は現在、大阪市、大阪商工会議所、大阪観光コンベンション協会、大阪あそ歩委員会で構成。大阪あそ歩は歴史や地域の人らとの出会いを楽しむ「まち歩き」と、食や芸能などの大阪の伝統を体験する「まち遊び」があり、2008年秋にスタートした。「これまでに1万人以上が参加し、『まち歩き』だけで300コース、その規模は日本一」(同協議会)。

 今回の観光庁長官表彰は、市民が観光客を案内する大阪観光の新しいスタイルとして大阪あそ歩を定着させ、観光振興と地域の活性化に貢献したことが受賞理由だ。1日に東京で表彰式があり、大阪あそ歩委員会の茶谷幸治代表理事(66)が、井手憲文観光庁長官から賞状を受け取った。

 茶谷代表理事は「まち歩きは地味な取り組みだが今、全国でブーム。トップランナーとして、われわれのやってきたことが評価されてうれしい」と声を弾ませる。

 イベント企画会社代表、古書店主、元教師、主婦…。大阪あそ歩を支える市民ガイドは現在200人を超え、その経歴もさまざまだ。

 大阪あそ歩のスタート時からガイドを務めコリアタウンなどを案内する足代健二郎さん(69)は、「大阪あそ歩で、自分たちの地域以外で活動する人たちとの交流の輪が広がった」とし、「一人で何コースも参加するリピーターも多い。熱心に話を聞いてもらいやりがいがある。これからも盛り上げていきたい」と、受賞を喜んでいる。

 イベント企画会社代表で、住吉大社かいわいをガイドする山田重昭さん(48)は「大阪あそ歩は決して派手ではないが、少しずつファンを獲得してきた。一度はまると、癖になるのが魅力」とし、「参加者が説明を聞いて終わりという受け身ではなく、地域で何かしらの体験ができる仕掛けをもっと盛り込んでいければ」と、今後を見据える。

 大阪あそ歩委員会プロデューサー、陸奥賢さん(34)は「大阪のまちのポテンシャルが認められた。今後も皆さんと活動していきたい。ぜひ大阪あそ歩に参加してもらえれば」と呼び掛けている。


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釈徹宗師と高島幸次先生の共著『大阪の神さん仏さん』読了

2012 年 10 月 1 日 Comments off

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釈徹宗師と高島幸次先生の共著『大阪の神さん仏さん』読了。
http://www.amazon.co.jp/dp/4903993140

「大阪は、四方八方から流入してくるものが交差する場である。奈良からは大和川や生駒山地を通って、京都からは淀川経由で、大陸からは瀬戸内海を通って、物心両面さまざまなものが集積することで生成してきたのだ。時には反対勢力の拠点であり、時には埋葬の地となり、時には国の中心となり、時には商業都市であり、時には宗教都市であり、時には軍事都市となり、時には教育都市となり、時には工業都市となる。都市ごと性格を変貌させてきたのである。そのため、そこに住む人々は、一人が複数の共同体に所属(重所属)するメンタリティーを大切にしてきた。これが大阪人のコンプレックスを編み上げてきたのである。大阪人のコンプレックスはけっこう複雑である。大阪人は、「自分ひとりの力だけで生きているわけではない」ことを骨身にしみて知っている。」
(本文より)

大阪という都市の最大の特徴は「万華鏡都市であること」です。見る角度でコロコロとその表情を変える。これほど重層的かつ多面構造な都市は古今東西ありません。そんな大阪という万華鏡都市のエートスを、高島先生と釈さんが「神さん」「仏さん」という視点からモノの見事に読み解いていく。ほんま、ええ本です。オススメです!

でもって、釈先生とぼくとで、10/9(火)19時~21時にワッハ上方で「いきなりはじめる大阪七墓巡り???」というトークイベントを開催します。
http://www.facebook.com/events/282690375179409/

もしよろしければ是非ともご参加ください!m(_ _)m


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人智を超えた「祭」の力

2012 年 9 月 26 日 Comments off

屋島を挟んで源平の船が並ぶ。このとき平家は一隻の船を出して、そこに扇の的を掲げた。源氏は、それを見て、弓の名手・那須与一を出す。もし的を外せば、死ぬしかない。決死の覚悟で「南無八幡大菩薩」と呟き、那須与一は矢を放ち、見事に扇の的を射ぬく。天晴。すると平家はなにもいわずに海域から去っていく・・・。

同等の、2つの力が対峙したときに、自然発生した事件。これは一種の神事です。ここにあるのは論理ではなく、人智を超えた「祭」の力。この有無をいわさぬ説得力。

どうしようもない、愚かな人間の争いを収めるのは、政治ではなく、祭だったりします。つまり、祈りや願いが、人間社会には絶対に必要ということです。

こういう知恵もあるんですが・・・。

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さらば豊島

2012 年 9 月 23 日 Comments off

さらば豊島。また会う日まで会える時まで(きよひこおざき)

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「大阪あそ歩」が観光庁長官表彰を受賞!!記念の特別まち歩きを実施します!

2012 年 9 月 22 日 Comments off

「大阪あそ歩」が観光庁長官表彰を受賞!!記念の特別まち歩きを実施します!
https://www.osaka-asobo.jp/news#90

このたび「大阪あそ歩」が観光庁長官表彰を受賞しました!そこで普段から「大阪あそ歩」を支持、応援いただいている参加者、関係者の皆様方への感謝の気持ちを込めて、記念の特別まち歩きを実施します!大阪あそ歩のまち歩きは、通常は参加費が必要ですが受賞記念まち歩きは無料で実施いたしますので、まだ「大阪あそ歩」を体験したことがないという方も、ぜひこの機会に是非ご参加ください!詳細情報、参加ご予約につきましては以下のリンクをご覧ください。

■11/1(月)10時
2008年秋、「大阪あそ歩」はこうして始まった!
「異文化のまち・コリアタウン」~日本最古の橋から猪飼野、御幸通まで~

■11/1(月)14時
2008年秋、「大阪あそ歩」はこうして始まった!
「祈りのまち・住吉を歩く」~1800年の歴史を刻む住吉津の物語~

■11/17(土)10時
御堂筋には不思議がいっぱい!~キタからミナミへ謎解きの道~キタルート編

■11/17(土)14時
御堂筋には不思議がいっぱい!~キタからミナミへ謎解きの道~ミナミルート編

皆様のご参加を、心よりお待ちしております!^^


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イヴァン・イリッチ『脱学校の社会』

2012 年 9 月 15 日 Comments off

精華大学の学生さんにプロデュース論をやる仕事が来たと思ったら、今度は西宮の今津高校の生徒らに大阪・千日前のまち歩きの特別講師の仕事が決まりました。ありがたい話なんですが、大学、高校にいってない自分が(15のぼくは高校、大学なんか入っても意味ない!と思ってたわけですから)大学生、高校生に何事か教えるというのは、じつに奇妙な気分でして・・・まぁ、日本の教育現場が変わりつつあるということなんでしょうか。

「個々人にとって人生の各瞬間を、学習し、知識・技能・経験をわかち合い、世話し合う瞬間に変える可能性を高めるような教育のネットワークをこそ求めるべきなのである」

イヴァン・イリッチの『脱学校の社会』より。蓋し名言。然り。然り。然り。


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堺と大阪のハーフ

2012 年 9 月 13 日 Comments off

ぼくは「大阪生まれ・堺育ち」で「堺と大阪のハーフ」であることが密かに自慢なんですが。この2つの商業都市は似てるようでまったく違う。いろいろと違いはあるんですが、決定的なのは成立した時代が違うんですな。つまり堺は血で血を争う戦国時代の商業都市であり、大坂は天下泰平の江戸時代の商業都市であること。

人を殺す道具(武具、鉄砲)で儲かったのが堺です。「死の商人のまち」であったこと。お金を儲けることは、つまり人を殺すことだった。これが堺の町衆のメンタリティに非常に大きな影響を及ぼしてます。こういう都市であったからでこそ、あの千利休の「数寄」の茶道が誕生してきます。

人生七十 (じんせいしちじゅう) 
力囲希咄 (りきいきとつ)
吾這寶剣 (わがこのほうけん)
祖佛共殺 (そぶつともにころす)
堤る我得具足の一太刀 (ひっさぐるわがえぐそくのひとつたち)
今此時ぞ天に抛 (いまこのときぞてんになげうつ)
天正19仲春二五日 利休宗易居士

この『利休遺偈』の激しさ。深さ。怖さ。白刃の上を歩くかのような、ぎりぎりの覚悟を持って、商いや侘び茶をやっていたのが堺の町衆です。だから江戸幕府ができて、天下泰平になったさいに、堺はほっと肩の荷を下ろしてしまった。そして、ようやく普通のまちになれる、というんで、以後、商業都市を目指すことはなくなり、その座を大坂に明け渡しました。

大坂は、そういう意味では恵まれた時代に発展した商業都市です。お気楽な拝金主義が生まれたのも大坂で、しかしそれが元禄バブルの崩壊で一夜の夢と化す・・・ということを経験したのも大坂。その栄光と挫折から大坂に「粋」(すい)や「心中」の文化が生まれてくるわけです。

このあたりのことを踏まえて、堺と大坂の都市比較論をいっぺんやってみたいんですが・・・。


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