「現在、墓地・墳墓、その承継のあり方が大きく変貌しようとしている。平成 11 年 5 月に「墓地、埋葬等に関する法律」の施行規則が改正され、官報によって無縁墳墓の改葬が公告されるようになって、墓地の実際の使用者の権利が守られないまま無縁改葬の簡素化が始まった」
■『無縁墳墓ついての研究-無縁改葬公告の研究』より(茨城キリスト教大学文学部文化交流学科・森謙二氏)
http://www.icc.ac.jp/univ/morizemi/Date/PDF/Muen-1.pdf
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自分の父母や祖父母の墓まではわかりますが、3代前、5代前、10代前のご先祖さまになると、もはやどこに墓があるのかすらわからないという人は多いでしょう。じつは平成11年の「墓地埋葬法」によって、そうした墓にはある日いきなり「この墓の関係者は■年●月▲日までに名乗りでてください。名乗り出ない場合は無縁墓に改葬します」という張り紙が1枚貼られ、その日が来ると無情にも墓石は破壊され、無縁墓として改葬されるという事態が起こってます。なんでこんなことが起こっているのか?哀しいかな。ここには古い墓を撤去して新しい墓地として売り出そう…というビジネスの論理が働いています。
民俗学や人類学は、生者が死者をちゃんと鎮魂し、供養するということが、そのコミュニティの絶対条件であることを教えてくれます。これをやらないコミュニティはコミュニティとは断じていえない。死者を死者たらしめることで、生者は生者たりえるわけで、それを疎かにする集団は、恐ろしく不安定かつ無責任で、危険なヒステリー集団でしかありません。死に方がわからないのに、生き方がわかるはずないやないか?ということです。
「大阪七墓巡り」に数えられる梅田墓、太子墓(鳶田墓)も、ともに2000年代後半になって立て続けに、この地上から消滅しました。なんでこのタイミングなんやろか?とは疑問に思ってましたが、その前提条件として平成11年の墓地埋葬法の改悪ってのがあったんですな。いつのまにか、こういう法律ができていて、いつのまにか、日本文化の核となるものが破壊されていく。結局、その理由は金儲けという拝金主義で。反抗しますけどね。「物語」にすることでしか、ぼくには勝負できませんが・・・。
■8/15(木)8時よりJR福島駅より【大阪七墓巡り2013~真田山・陸軍墓地で玉音放送を聴き、釜ヶ崎夏祭りの慰霊祭で祈る~】
http://www.facebook.com/events/172394669609419
知る人ぞ知るの大阪・淡路にある高射砲住宅。元兵士が高射砲台に住み着いて家になってるというマニアにとっては最高の夢物件ww
第一級の戦争遺跡。これはなるべく残して置いて欲しいですな。
縄文、弥生のアニミズムや、神道の時代を経て、日本には道教、儒教、仏教、密教、キリスト教などいろんな外来宗教が入ってきました。本来、それぞれの宗教にはそれぞれなりの独自かつ厳密な「死生観」がありますが、日本人は「神仏習合」や「本地垂迹」といったユニークな宗教的態度によって、それぞれの死生観を勝手に消化し、ごちゃ混ぜにしてしまいました。「有縁に影響される輪廻思想」や「無縁でも祟る怨霊神」といった概念が発生してきたのもその影響です。しかし、こうした「豊かな死生観」が産まれたことで、じつは非常に「豊かな葬送文化」を産みだすことにもなりました。無縁の死者を無縁の町衆が供養する「大阪七墓巡り」は、その象徴であり、一例だと思っています。
今日は梅田墓で、ランドスケープ・アーティスト、俳優、大学准教授のハナムラさんによる鎮魂と供養のパフォーマンスでした。いくつもの偶然(必然?)が重なった結果、それは梅田墓の無縁の死者のみならず、ハナムラさんにとっては有縁の死者である弟さんへ向けられたものにもなりました。
ハナムラさんが弟さんの遺影に祈りをささげ、無縁のぼくらが合掌するとき、梅田北ヤードがまるで巨大な墓標に見え、花火が、線香が、まちの明かりのようにも見えた。死者と生者が交流・交感する「死生観光」が見事に結実した瞬間だったように思います。ハナムラさん、ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
画像はご参加いただいた山本さんのお写真をシェアしました。素晴らしいモノクロ撮影です。感謝を。
■8/11(日)18時より緑橋♭にて【大阪七墓巡り復活プロジェクト2013 七夜連続一墓巡り ③梅田編】「ハナムラチカヒロ氏と花火をする夜」と梅田まち歩き
http://www.facebook.com/events/206154612872998/
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「大阪七墓巡り復活プロジェクト2013」、あと4日間です。年に1度の祭礼ですから。ご興味ある方は、この機会にぜひとも!
■8/12(月)18時よりcafé EARTHにて【大阪七墓巡り復活プロジェクト2013 七夜連続一墓巡り ④千日編】「舞踊家・木室陽一による舞踊ワークショップ」と千日まち歩き
http://www.facebook.com/events/209576585862450/
■8/13(火)18時よりcafé EARTHにて【大阪七墓巡り復活プロジェクト2013 七夜連続一墓巡り ⑤葭原編】「北夙川不可止伯爵のレクイエム歌會」と葭原まち歩き
http://www.facebook.com/events/238355509622577/
■8/14(水)18時よりcafé EARTHにて【大阪七墓巡り復活プロジェクト2013 七夜連続一墓巡り ⑥蒲生編】「書家・田面遙華による書のワークショップ」と蒲生まち歩き
http://www.facebook.com/events/206690852822069/
■8/15(木)20時よりココルームにて【大阪七墓巡り復活プロジェクト2013 七夜連続一墓巡り ⑦飛田編】「詩業家・上田假奈代による詩のワークショップ」と飛田まち歩き
http://www.facebook.com/events/399655600143585/
■8/15(木)8時よりJR福島駅より【大阪七墓巡り2013~真田山・陸軍墓地で玉音放送を聴き、釜ヶ崎夏祭りの慰霊祭で祈る~】
http://www.facebook.com/events/172394669609419
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「大阪七墓巡り復活プロジェクト」や「クリエイティブ・ツーリズム大阪」や「大阪三十三観音霊場講」なんてのをやっているうちに「え?これってお寺なんや・・・?」と思う寺と出会うことが非常に多く。
京都や奈良とは違い、哀しいかな、大阪の寺は大部分が戦災で燃えてしまったので、木造ではなくて「コンクリ寺」や「マンション寺」(寺地を売却してマンションが建っていたりする)や「イエ寺」(一見、単なる家のように見えるけれどもじつは寺)というのが非常に多くあるんですな。
こうした近代的な寺は、最初見たときは「ううむ・・・」と思っていたんですが、何度も見ているうちに、「これはこれでええかも?」と思うようになり、見つけたら写真を撮ったりするようになり、最近では「いや、むしろ、これこそが大阪の寺や!モダン寺こそが素晴らしい!」と意識変革が起こり(若干開き直って)、ついに広く世間に訴えることにしました。
実際、モダン寺は素晴らしいです。ユニークで、見ていて、面白く、飽きない。コンクリ寺、マンション寺で近代っぽく見えて、じつは歴史や由緒や縁起はスゴイ物語があったりする。その「ギャップ」が、これまたたまらないんですなww
というわけで、ひとまず「大阪モダン寺巡礼」facebookページを作ることにしました。これから有志を募って、「モダン寺巡礼ツアー」なんかをボチボチ企画したいと思います。「なんやしらんけど、おもろい!いってみたい!」というイチビリかつイッチョカミな方は、ぜひともfacebookページに「いいね!」してやってくださいww
何卒よろしくお願いしますm(_ _)m
■大阪モダン寺巡礼~大阪のビル寺、コンクリ寺、マンション寺、イエ寺を巡ろう!~
http://www.facebook.com/osakamodandera
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大阪は下寺町の名刹・浄土宗大蓮寺の秋田光彦住職からのご依頼で應典院発行のフリーペーパー『サリュ スピリチュアル vol.7』の中で「宗教と観光の交差点」をテーマに小論を書きました。「大阪あそ歩」や都市観光、まち歩き観光のプロデューサーだったぼくが、311をきっかけにして「死生観光」の必要性に気づき、「大阪七墓巡り復活プロジェクト」をはじめるに至った経緯などが記述されています。そもそも「大阪七墓巡りとは一体なんなのか?」「なぜ大阪七墓巡りがなくなってしまったのか?」といったようなこともぼくの独断と偏見ですが推論で書いています。ご興味ある方は、ぜひとも手に取ってみてください。
■大阪七墓巡り復活プロジェクト
http://www.facebook.com/osaka7haka
以下は秋田住職の記事よりシェアしました。
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昨日からお盆の棚経が始まった。いつものごとく、いつもの家々を巡拝する。ミクロで見れば、何事も例年通りに見えるが、マクロで見るとだんだんと檀家さんの事情も、寺檀関係も移り変わっているのではないか。微細な変化に敏感でありたい。
遅くなったが、サリュスピリチュアル7号が発行された。奇才陸奥賢さんが宗教と観光の小論を寄せれば、昨年のお寺MEETING「非営利組織・お寺のマネジメントを考える」のルポも。とくにお願いして国学院の黒崎浩行さんに震災以降、著しく変容する宗教学者の協働についても寄稿をお願いした。通読して、不思議な一致を感じる。「まちとひとの関係(空間軸)」を考えてきた陸奥さんは、3.11以降新たに「まちとひとの連続性(時間軸)」に着目して、死者と生者の交流・交感としての観光(死生観光というそうだ)を提示している。また、経営学者の山田仁一郎さんは、未来の住職塾などのムーブメントを「超資本主義に対する抗体」とし、「経営学を方法として取り込んだうえで、日本人が先祖から引き継いでいる人間観に基づく価値体系を見つめ直し、再生する運動」とも評価する。新しい視点だ。
日本のお盆の光景からは、そんなたいそうなビジョンは見えてこない。いや、それほど土着に根深く浸透しているからか。あるいは、伝統の大地が干涸びて、あちこちに裂け目が生じた、これは危険のシグナルなのか。いずれにせよ、そういう時、問いと問いの応酬は活発になる。それが面白い。
*サリュスピリチュアル7号は、應典院1階に設置、無償配布しています。郵送希望者は120円切手同封で應典院事務局まで。
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amazonで本を購入すると、よくでてくるのが「この商品を買った人はこんな商品も買っています」「あなたがチェックした商品を買った人は、こんな商品も買っています」という煽り文句。顧客の嗜好を判断するアルゴリズムデータの蓄積によって、興味や関心が似た人々をグループ化して、顧客がまだ見ていない、知らない商品情報を提供し、抱き合わせで商品を購読させようとする。「協調フィルタリング」と呼ばれる「レコメンド・システム」(推奨システム)で、ネット・ビジネスでは常識化しつつあるようですが、これがぼくはどうも気に入らない。実際、非常に購読意欲をくすぐるシステムなんですが、結局、こうやって薦められる商品は、人間をある種のタイプに当て嵌めようとする罠といえます。ネットってのは、どうも目的論的なユーザーが多いせいか、そこにサービスを準拠させると、与えられる情報に偏りが出て、「情報の偏重」が発生する。薦められるままに本を購入していると、同じような、似たような人間ばかりが量産されるというわけです。「協調フィルタリング」はじつは一種の「調教フィルタリング」といってもいい。
ぼくが、むしろ、ネットサービスでやってほしいのは、「この商品を買った人はこんな商品は絶対に買っていません」「あなたがチェックした商品を買った人は、こんな商品はまったく買っていません」という「非協調フィルタリング」であり、「アンレコメンド・システム」(非推奨システム)です。自分とよく似た世界観の人やグループがいて、しかし、その中の誰も読んでいない本だからでこそ、それをあえて読んでみることによって、未知の発見や、新しい世界や、想像だにしなかった可能性が見えてくるかもしれない。あくまで「かもしれない」なんですが、そこが非常に大事なことで。
みんな同じ道を歩いていても、おもろないということです。反対に歩いたり、細路地に入ったり、回り道したり、穴にもぐったりしないと。真に豊かな情報化社会のために、いまこそ「非協調フィルタリング」「アンレコメンド・システム」を!そういうネット本屋がでてきたら、ぼくは大いに応援したいですww