「おしてるや難波」の風景~大阪人メンタリティと大阪文化の精神性を探る~
2008 年 11 月 26 日
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淀川が大阪湾に滔滔と流れて、そこの彼方に夕陽が沈んでいきます。
写真は梅田スカイビルの屋上展望台から。
http://www.skybldg.co.jp/
「あをによし」というのは奈良の枕詞ですが、難波(大阪)の枕詞は「おしてるや」といいます。「おしてる」は、夕陽の光が海原と空一面を明るく照らすさまを意味していて「や」というのは間投助詞です。
直越の この道にして おしてるや 難波の海と 名づけけらしも
万葉集に出てくる大阪の歌です。直越の道(奈良から大阪までの山道)を歩いていると、美しく光り輝く海が見えた。なるほど。これが噂の「おしてるや 難波の海」か……意訳するとこういう感じでしょうか。
大阪は西に海があって、太陽が沈む「夕陽の国」です。中世には、沈み行く太陽を目指して、難波津や住吉津から船を漕ぎだして「西方浄土へ行く」と補陀落渡海した人々も大勢いました。
大阪人のメンタリティ、大阪文化の深い精神性は、この「おしてるや」の海と夕陽によって形成されています。
カテゴリー: 雑感