ホーム > 雑感 > まちのコモンズ

まちのコモンズ

2008 年 12 月 1 日

061
「まちのコモンズ」(2008年11月25日~29日)にいってきました。
http://art-cafe.ur-plaza.osaka-cu.ac.jp/ken_1.html 

大阪市立大学・都市研究プラザの船場アートカフェと、船場建築祭実行委員会、集英連合高麗橋2丁目振興町会などが協働して開催する新しいまちの試みです。「天下の台所」「東洋のマンチェスター」「大大阪」のメイン舞台となった船場を舞台に、歴史や文化、建築物などに注目して、まちの魅力を発信、再確認しようという企画。「シンポジウム」「映像」「ライブ」「タウンウォーキング」「セミナー&サロン」と5つのプログラムが組まれていて、ぼくは「Space KITA’S」(大阪が世界に誇るデザイナー、喜多俊之氏のスタジオ)の映像イベントと高麗橋の高級料亭「本吉兆」による「吉兆お餅つき」に参加しました。

船場というのは大阪の「キタ」(梅田)と「ミナミ」(なんば)の真ん中にあって、大阪文化、大阪経済の中枢を担ってきた由緒ある地区なのですが、明治維新以降、近代に入ってから大阪市内を南北に縦断する一大幹線道路の御堂筋が開通して、キタとミナミが大阪の主要な交通ターミナルと化してしまうと、あまり省みられなくなりました。たとえば関東圏の人もキタとミナミは観光に訪れても船場はなかなか歩きません。本来の大阪の町人文化、商家文化というのは紛れもなく船場から生まれたもので、「船場を見ずして大阪を語ることなかれ!」です。

企画は面白く「本吉兆で餅つきをやる」(毎年、本吉兆さんではやっていた行事だそうですが公開は初めて)というのがユニークで「本吉兆に行列ができている光景」というのは、ぼくは初めて見ました。こういう風景はええですな。まちは「私」(プライベート)でもなく、「公」(パブリック)でもなく、「共」(コモン)である……という当然の認識を広めていくことが、今後の大阪のまちづくりのテーマやと思います。


カテゴリー: 雑感 タグ: