白石拓 『高層マンション症候群』 祥伝社新書
2011 年 3 月 2 日
「高層マンションに住むと流産、死産、神経症、めまい、鬱病、アレルギー、アトピー、低体温といった病気になりやすい」という衝撃のデータ集です。なぜこういった症状が出るのかよくわかりませんが、高層建築に住むとなると、知らず知らずのうちにストレスを抱え込むようです。人間は大地から離れては生きていけない存在なんですな・・・『天空の城ラピュタ』みたいなことをいってしまいました(笑)
高層建築の先進国である西欧諸国では、じつは1970年代から既に専門家から「高層マンション、高層ビルに住むと病気になる」といった警鐘がなされていたとか。実際にスウェーデンでは子どものいる家庭は5階以上の居住は禁止、イギリスでは4階以上が禁止、フランスでは高層住宅の建設を1973年から禁止、アメリカの一部の州でも高層住宅建築が禁止されているそうです。
翻って我が国・日本では、いまだに大手デベロッパーの大号令で、高層マンション、高層ビルの建築ラッシュをやっていますが、それは果たして、正しいことなのか?経済効率のみを最優先して、人間らしい、ヒューマンスケールの住宅環境を犠牲にしているのではないか?・・・この本を読むと、そんなことを考えさせられます。
高層マンション症候群。もっと世間に知られるべきです。
カテゴリー: 雑感