生涯学習系の講師の仕事が多い。受講生は10代、20代から80代、90代まで、本当に幅広い。それがこの仕事の面白いところでもある。
幅広い年代が集まるだけに、やれること、やれないこと、できること、できないこと、知ってること、知らないこと、得意なこと、苦手なことは受講生によって千差万別。
講師としては、どこに学習のレベルをあわせるか?がなかなか悩ましい。「できる人」「わかる人」「やれる人」だけを集めるのは、ある意味、ビジネスセミナー的な発想で、それを生涯学習の現場に持ち込んでも難しい。破綻する。
大体、生涯学習は国や市町村といった官のバックアップが多い。「公金」でやっているのだから、当然、「公精神」が必要で、だから結局「護送船団方式」にならざるを得ない。もっとも「できない人」「やれない人」「わからない人」を基準に学習プランを考える。
そういうのが物足りないといって、途中で抜けていく受講生も中にはいる。ここは、しかし生涯学習の成り立ち、公精神を尊重する立場を踏まえて、できることであれば、あなたの知識や得意なこと、できることを、あなたの隣のできない人、わからない人、やれない人に、ぜひともシェア、贈与して欲しいと思う。
そもそも生涯学習のような現場で、受講生を、他者を、出し抜く必要などない。あなたの知識や知恵や得意なことを、他者に、社会還元する場だという意識を持って欲しい。
なぜ、そんなに他者より上に立ちたがろうとするのか?といえば、どうもビジネスマインドや偏差値テストのような感覚から抜け出ていない人が多い。
生涯学習の場で、そんな他者と比べるようなことはしない。僕はテストもしない。やらない。個々の成績などみない。必要ない。受講生全体として、他者と助け合い、手伝い、分かち合い、何がなせるか?何をなしたか?が最も重要だと僕は考えている。
要するに生涯学習の現場は「みんなで作って、みんなで味わう料理教室」のようなもので「協働教育」ということです。あなたのための場ではない。みんなのための場です。
世の中にはいろんな人がいる。そういう他者とどうやって折り合いをつけて、全体の知のボトムアップ、社会知をあげていくためにはどうすればいいか?
そういう教育実践が生涯学習だろうと思ってます。
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※こういう協働教育は、しかし、実は生涯学習ではなくて、こどもたち…小中高の時代に最も必要ではないか?と思ってますがね。
常に他者と比べられて、他者より上に立つことを求められて、偏差値で格付けチェックされたりするのは、どうなのか?
こどもの自尊心は傷つくか?歪むか?のどっちかちゃうか?知らんけどw
■オンライン配信「1/16実施・阪神淡路大震災復興&コロナ鎮静祈願まち歩き・神戸八社代参巡礼」
https://www.facebook.com/events/405840554025052/
阪神淡路大震災の復興祈願とコロナ鎮静祈願として、港町・神戸を守護する「神戸八社」を巡ります。オンラインで巡礼の様子を配信します。代参巡礼希望者を募ります。
■オンライン配信日時:2021年1月16日(土)12時~巡礼が終わるまで(夕方までには終わる予定です)
■ルート:①一宮神社→②二宮神社→※東遊園地(慰霊と復興のモニュメント。人が多ければ遠くから眺めてお祈りします)→③三宮神社→④四宮神社→⑤五宮神社→⑥六宮神社・八宮神社(六宮神社と八宮神社は合祀されています)→⑦七宮神社 ※約8キロほどです。道中は配信しません。ポイント毎に配信します。
■代参巡礼費:無料
※もし、よろしければカンパをお願いします。でもカンパがなくても「無料視聴」もOKですw
ただ陸奥賢、コロナと緊急事態宣言で仕事が吹き飛び、正直、大変な状況です。わずかでもカンパをいただけると嬉しいです。カンパはPayPay(ID検索してお振込みください)か銀行振込で受け付けております。
●PayPay ID:mutsusatoshi
●銀行振込:池田泉州銀行 新金岡支店 普通0140848 ムツサトシ
【解説】
ここ数年、1月17日は、大阪・下寺町の浄土宗寺院の應典院で開催される総合文化祭「コモンズフェスタ」で震災復興祈願として「異類観光プロジェクト」をやっていました。
コモンズとは「入会地」「共有地」のこと。そこは「他者」が集う場所であり、「共異」の場です(共同=コミュニティではなく)。「他者」の中には自分と違う存在…そこには当然、「死者」や「異類」も含まれるわけで、それで「異類(動物)」という「他者」の存在や生命について語り、考え、味わう(最後に異類を調理し、その生命を頂戴し、僧侶の読経で供養しておりました)という場を寺院の中で設けたわけです。
2015年の「鯰(地震の象徴です)」から始まって「亀」「鯨」「馬」「鹿」「蛙」と続いたのですが、2021年の今年は應典院は設備の老朽化などで一般利用を停止しており、コモンズフェスタも休止状態。さらに世の中は、コロナ感染者の蔓延と医療切迫から緊急事態宣言(まだ関西方面は発令しておりませんが、いずれ出ることでしょう)という状況にあります。
そういう中にあって、震災祈願として僕が一人でもやれることは何か?と考えて、去年から実施している「オンライン代参巡礼」を1月16日(土)に実施することにしました。一人で、港神戸を守護する神戸八社を巡ってオンラインで配信します。
神戸八社は生田神社の氏地にあり、生田神社の裔社と呼ばれていました。一宮は北野村、二宮は生田村、三宮は神戸村、四宮は花隈村、五宮は奥平野村、六宮は坂本村、七宮は兵庫津北浜、八宮は坂本村の鎮守として信仰されていました。神戸港を守るための神々ということになります。
面白いのが「八宮」という宮の数です。大阪であれば「四天王寺七宮」などがありますが、これはおそらくは星辰信仰の名残です。つまり北斗七星の象徴でしょう。「七宮」ではなくて「八宮」とあるのは謎ですが、古代中国では北斗七星はじつは「北斗八星」(北斗七星+輔星)でした。星が一つ多かった。さらにもっと古代には「北斗九星」(北斗八星+弼星)の時代もありました。神戸では北斗八星の時代の信仰が伝わったと考えると面白いですが、もしかしたら日本人は「八」(末広がり)という聖数を好むので、その影響で七星に一星を増やしたのかも知れませんが…。
いずれにせよ、神戸というのは港町で、海民のまちです(ちなみに四天王寺も古代はすぐ目前の西に海が迫っていたので海民の寺院、海民の都市でした。四天王寺七宮があるのは必然でしょう)。海民たちは星辰信仰の民でもあります。大海原に出て、特に危険な夜になれば、自分たちの位置を教えてくれるのは星だけです。
とくに重要なのが決して位置を動かさない北極星であり、その北極星を指し示すのが北斗七星(八星、九星)ということになります。「スターナビゲーター」(星の道しるべ)といいますが、海民たちの生命を託す存在として星があり、それが北斗信仰の始まりです。
ちなみに日本仏教では妙見菩薩が北極星の神格化した存在とされていますが、妙見信仰は日蓮宗寺院において盛んです。開祖の日蓮上人が漁師出身だからです。古代の海民の素朴な信仰(北斗信仰)が、妙見信仰というスタイルに変わりながらも、日本全国に根付いている一例でしょう。
※山の民も北斗信仰を盛んにしました。山も鬱蒼を生い茂った森林によって夜道が危険です。その時に道しるべになるのが森林のあいまから見える空の星でした。「海の民」「山の民」。そして海と山を繋ぐ「川の民」の信仰として北斗信仰(星辰信仰)の影響はそこかしこに見出せます。
阪神淡路大震災の復興祈願として、合わせてコロナ鎮静祈願として、港町・神戸を守護する神戸八社を巡りたいと思います。
緊急事態宣言下ですので、一人で巡ります。前日の1月16日(土)にしているのは、阪神淡路大震災が起こった1月17日(日)は、やはり、いろんな方が現地を訪れます。なるべく密になる環境は避けた方がいいだろうということで前日にしました。また現地までは大阪から車で向かいます。電車、バスなども使いません。密を避けて、誰とも会わずに、1人で実施します。
巡礼の様子はオンライン配信します(facebookの陸奥賢の投稿と、このイベントページで行います)。アーカイブとして動画はアップしておいておきますので、いつでも、お時間のある時にみてください。
来年か再来年か、コロナが落ち着いた頃になれば(ワクチンの普及か?指定感染症が2類から5類になるか?病床数が増加するか?いずれにせよ医療切迫の状況が改善しているならば)、またみなさんとご一緒して、1月17日に神戸八社を歩きたいと思います。
https://www.facebook.com/events/405840554025052/
10代後半から20代前半の多感な時期の社会的騒乱は、一生の「問い」になる。
僕にとってはやはり16歳(数えで17歳)のときの阪神淡路大震災で、それは今の実践…コモンズ・デザインのプロジェクトに有形無形に影響を与えていて、繋がっているといえる。
しかし震災当時は、問題の「種」がまかれた程度で、ちゃんと、その諸々の社会問題を自分の問題として、当事者として認識するのに、僕は16年後の…2011年の東日本大震災までかかってしまった。
おそらく問題が大きすぎると、そうなる。戦い方がわからない。問題と向き合うことすらできない。僕は震災(新長田にあった叔父の靴工場は全焼し、同級生の友人も亡くなった)をほぼ無視し、スルーし、16年の月日があって、東日本大震災という、より大きな問題に直面した時に、フラッシュバックという形で強烈な揺り戻しが発生した。
だから、こういっては何ですが、コロナ禍の若者には期待しております。彼ら彼女たちの置かれた状況、環境、問題は、非常に大きい。大きすぎる。重すぎる。必ずや一生の問いになる。
いまは大変でしょうが、しかし、それは、長い目でみれば、財産です。アクティブな社会実験者が現れることを期待しています。
昭和の名曲シリーズ⑦小泉今日子『木枯らしに抱かれて』。作詞作曲はジ・アルフィーの高見沢俊彦。
キョンキョンは名曲が多い。『あなたに会えてよかった』『月ひとしずく』『潮騒のメモリー』。提供者が「これぞ!」という曲や詞を提供している気がする。