龍の知恵
2010 年 12 月 25 日
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龍は古代の部族の聖獣で、神です。古代には、狼や熊を崇めた部族がいるように、龍を崇めた部族がいました。
部族間の戦争がある時、勝ったものが負けたものに部族の神を強要します。仮に虎の部族と、鳥の部族がいて戦争が起こり、虎の部族が勝ったとすれば、鳥の部族は鳥の神を徹底的に抹殺し、虎の神に絶対服従を誓いました。
では、戦争ではなく、同盟などで連合した場合はどうなるのか?
例えば、蛇の部族と鳥の部族が争っていたが、決着がつかなかった。結局、お互いの部族の若者と女性を結婚させて連合することにした。この時、蛇の神と鳥の神の合一が行われます。蛇なのに羽が生えて、空が飛べる、新しい神になるわけです。キメラ(合成獣)の誕生ですな。
龍というのは地球上に存在しません。蛇のような身体で、羽があって空を飛び、鷲のような爪を持ち、魚のような鱗に覆われ、雷を落としたり、雨を降らしたりする。なぜ、こんな想像上の神が登場したのか?といえば、そこには、こうした古代の部族の闘争と合流の歴史があるからです。
虎や熊や狼の部族は、武力のある、強い部族やったんでしょう。だから動物の姿のままです。龍の部族は敵を滅ぼさなかった。外交力があり、部族闘争を収める知恵があった。東洋文明は、龍や鳳凰や朱雀、麒麟、玄武など数多くのキメラを産んでいます。武力ではなく外交力や融和、対話を重視した。その証明が、これらの聖獣です。これは東洋文明の知恵そのものでしょう。
韓国と北朝鮮。日本と中国。どこの国にも龍信仰があり、聖獣信仰があり、愛されています。言語や政治形態、歴史は違いますが、崇める神は同じ。東洋には部族間闘争を解決できる、龍の知恵があると、ぼくは深く、強く、信じています。
カテゴリー: 雑感