危険な「東京一極集中化」の見直し~「江戸300藩」の多様性と柔軟性、可能性~
2011 年 4 月 17 日
江戸時代は諸国に300藩ありました。それぞれが藩独自の殖産興業に務めて多種多様な文化圏を作り上げました。実際に、現在でも日本の地方の特産物、名産物は大体、江戸時代に作られたものがほとんどです。ところが明治以降、東京に首都を起き、大阪から財界、京都から天皇家を持っていって中央集権国家になってから、近代日本は単一構造の、薄っぺらい、面白みのない国家になってしまいました。
例えば幕末の時代に「日本が危ない!」と立ち上がったのは坂本龍馬や木戸孝允や大久保利通や新撰組や松平容堂でした。土佐、長州、鹿児島、武蔵や越前の「地方の人間」なんですな。300藩が藩独自の教育を施して「他藩に負けてなるものか!」と一所懸命に人材育成に努めた結果、思いもよらぬ傑物が出てきたわけです。そのとき、江戸幕府(中央官僚)は体たらくで、まったく、なんの役にも立ちませんでした。幕臣でいえば時代の流れを読んでいたのは勝海舟ぐらいですか。その海舟自身が「幕府なんて、もう、まったくダメだ」と諦めてるほど、酷い組織腐敗の有様でした。
東京一極集中の、官僚統制の、中央集権国家は、もう終わらせないといけません。明治以降150年で制度疲労を起こしてますし、ムダにメタボ化して心臓発作、動脈硬化寸前です。江戸300藩の多様性と柔軟性、可能性・・・しなやかさ、したたかさが必要な時代なんでしょう。
今度の原発事故で、その思いを強く深めています。
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