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2011 年 12 月 18 日 のアーカイブ

大阪あそ歩のおもしろさ

2011 年 12 月 18 日 Comments off

大阪あそ歩のおもしろさのひとつは「まちの多様性」にある。まず大阪はまちの歴史が長い。日本最初の大寺・四天王寺(593)は現存し、難波宮(645年)といった遺跡も見つかっている。難波宮は平城京(710年)や平安京(794年)よりも古く、大阪が京都や奈良を凌駕する1500年近い歴史を有する歴史都市であることは意外にも知られていない。

歴史は長いのに京都の天皇や江戸の将軍といった権威・権力が長く根付かなかったことも、大阪のまちをおもしろいものにしている。まちの主役は自由闊達な町衆で、自分たちの好きなように、市場や花街、芝居町、夜見世といった商いと遊興のまちをデザインしていった。このまちの歴史や多彩さを反映したものが大阪あそ歩の「150コース」という驚異的なまち歩きのコース数だろう。日本の都市の中で、これほどのまち歩きを成立しうる都市はそう多くはない。まちには無数の物語やドラマが錯綜し、まるで万華鏡のように、訪れる人を魅了する。

もうひとつ、大阪あそ歩のおもしろさとして挙げたいのが「ひとの優しさ、暖かさ」だ。大阪は公家や武家といった官吏が作ったまちではなく、町衆が作り上げたまちで「わがまち」意識が非常に高い。大阪あそ歩のガイドはその町衆の遺伝子を受け継いでいるが、まちの人々・・・商店主や名物おばちゃんなども、わがまちを誇りに思い、愛している。それゆえにまち歩きの参加者を、まち全体で喜んで歓待してくれる。普段は決して見られないような仕事の現場を開放したり、とっておきの物語やエピソードを聞かせてくれる。自然と参加者がまちのファンになって、何度も何度もまちを再訪する・・・といったことも、まるで珍しくない。

いま日本の主要都市は経済効率を最優先して、高速道路やコンビニやファミレスやファーストフードなどで均一化、非人間化していく一方だが、大阪のまちは、まだまだ多種多様なまちがあり、ヒューマニズムを濃厚に残している。大阪あそ歩に参加するおもしろさ、醍醐味は、こうした「まちの多様性」と「ひとの優しさ、暖かさ」にふれることに他ならない。


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柔肌の熱き血潮に触れもみで寂しからずや道を説く君

2011 年 12 月 18 日 Comments off

大阪・住之江の祐貞寺に住んでいた与謝野寛は漢学塾に通い、堺の覚応寺の子・河野通該と出会いました。2人は文学的才能を認め合い、大和川を挟んで北に住む寛は「鉄幹」と名乗り、南に住む通該は「鉄南」と名乗りました。

この鉄南の詩の弟子として覚応寺に通っていた、ひとりの女流歌人がいます。鳳晶子といって、晶子は鉄南のことを「兄」と呼んで慕い、詩の手紙を何度も送りましたが、その文面は明らかに恋する女性のそれでした。しかし住職の跡取り息子の鉄南は晶子に対してあくまでも師匠としての立場を崩そうとしません。そのうち鉄南は大阪にやってきた鉄幹に晶子を紹介して、すると晶子は途端に鉄幹に夢中になり、2人は大恋愛の末に結ばれました。

「柔肌の 熱き血潮に 触れもみで 寂しからずや 道を説く君」

与謝野晶子の有名なアパッショナータな恋歌ですが、これ、しかし、誰に対して歌っているのか?謎です。与謝野鉄幹やないんですな。だって与謝野鉄幹は妻子がいるのに晶子の柔肌に手を出してますからww

というわけで、この「君」とは河野鉄南ではないか?という説があります。さらに、ぼくは、じつは与謝野晶子はやっぱり鉄南のことが好きで好きでたまらなくて、それでも振り向いてくれない鉄南へのアテツケで、大親友の鉄幹に身をまかせたのではないか?・・・と推測してます。そう考えると面白いし、与謝野晶子ならやりかねないですし。

この歌ひとつに、男と女のドラマが込められている。昼ドラですけどww


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