浄土宗大蓮寺塔頭の應典院が発行している会報誌『サリュ・スピリチュアルvol.7』に「宗教と観光の交差点 弱者へのコンパッション」を寄稿しました。中身は「大阪七墓巡り復活プロジェクト」についての活動報告です。「そもそも大阪七墓巡りとはなんなのか?」「なぜ七墓巡りがなくなったのか?」「死生観光とは?」といったようなことを徒然に書いています。『サリュスピ』は應典院に行けば読めますが、聞けば仏教関係者、専門家のみなさんの手元に配送されているそうで、門外漢のド素人が浅学をひけらかしているので冷や汗ものなのですが、叱責覚悟の上での愚行蛮行です。拙文乱文ですが大阪七墓巡りにご興味がある方はご一読いただければ幸甚です。何卒よろしくお願いしますm(_ _)m
■大阪七墓巡り復活プロジェクト
http://www.facebook.com/osaka7haka
■サリュ・スピリチュアルのバックナンバー
(まだvol.7はアップされていませんがご参考までに)
http://www.outenin.com/modules/contents/index.php?cat_id=70
講談といえば大坂夏の陣&豊臣家滅亡。そして日本の歴史上、現存する最古の新聞=「かわらばん」も大坂夏の陣&豊臣家滅亡を伝えるものでした。講談と新聞は非常に親和性の強い情報メディアで、おそらく講談は新聞(読み売り)を売るための話芸であったろうし、新聞は講談の恰好のネタ帳になったことでしょう。この2つの情報メディアがクロスマッチすることで、新しい(古い?)メディア芸が生まれるのではないか?という試みです。ご興味ある方はぜひともご参加してください!^^
■7/23(火)第31回目まつこのへや「ジャズ講談師・旭堂南陽 with まわしよみ新聞師・むつさとし~まわしよみ新聞を作り、ジャズ即興のように講談化する!?~」実施します!
http://www.facebook.com/events/374304086025350/
http://www.mawashiyomishinbun.info/archives/989/
うまいこと、おもろいこと、新聞のニュース記事を「読み解く」というひとが世の中にはいまして。知識とか物知りとか、そういうことではなくて、物事を照射する「角度」とか、微妙な「ずらし方」とか、「含み」の提示のようなものですな。え?話の着地点がそこになりますか?という意外性の話術。これはどれだけ学校や大学で勉強しても、いくら本を読んでも決して身につかない、一種の「センス」のようなものですな。絶妙に物事に「雑音」「ノイズ」を持ち込むひとといってもいいかも知れません。「まわしよみ新聞」をやっていると、時折、そういうセンスやノイズのあるひとに出会って感心しますし、これがまた楽しいんですな。
仏教説話のスタイルに「絵解き」というのがありますが、これも、そういう「ノイズ」や「センス」の話芸だったのでは?と思ってまして。まっすぐに、目的論的に「答え」を出すのではなくて、その絵解きによって、じつは90度、180度、270度、360度、話の意味内容が変わっていいし、それを許容するような精神が仏教的態度の中にあると思っているんですな。仏教は「何事にも執着してはならない。何者にも捉われてはならない」(釈迦の教えですらも!仏に逢うたら仏を殺せ!)という常に存在性を揺さぶる宗教ですから。正しいとか、過ちであるとか、正解とか、間違っているとか、そういうことではなくて、ちょっとした「ノイズ」を与えて、「チューニング」させることで、「自分」というものを取り戻せさせる。仏教の叡智というのはそういうところにあるし、仏教者としての絵解きの達人・名人というのは、そういうノイズさを有したひとであろうと思います。簡単にいえば、絵解きで与えられるのは「答え」ではなくて「問い」である、ということです。
今の世の中にあふれているのは、簡単に「答え」を提示する情報メディアばかりです。「こうすると〇〇(美人になれるでも大学に入れるでも金持ちになれるでも結婚できるでも何でもええんですが)になれる」といった指南書の多くがそれで、こういうのが大体、本屋の店頭に並んでベストセラーになってますが、ぼくはこういうものには、まったく、これっぽっちも興味ありません。こういうのは仮にその本に書かれている「答え=こう〇〇すると金持ちになれます」がやってみて「正しい」としても、いってみれば「ゲーム攻略本を読んでゲームをクリアする」みたいなもんで、なにがおもろいねん?と。「答え」ではなくて「問い」を投げかける情報メディアの在り様があって良いし、この混迷の時代、カオスモスな社会状況にあっては、そんな容易に「答え」なんて見つかるはずもなく。大体「こうすれば大丈夫。答えはここにある!」とかいう人は(アベノミクスも維新も三宅洋平も)瞬間的には刹那的にはよくても明日にはどうなるかわかったもんやないです。むしろ今こそ情報メディアは「答え」ではなくて「問い」を投げかけないといけない。混迷の時代であるからでこそ、「安易な答え」を欲しがるのではなくて、覚悟して「大いなる問い」を投げかけ、とことんまで混迷してみないと、次に進めない。
「まわしよみ新聞」に参加しても「答え」はみつかりません。むしろ「問い」を投げかけたい。「ノイズ」を投げかけたい。そういう場にしたいなぁ、と常々思ってます。
■まわしよみ新聞公式サイト
http://www.mawashiyomishinbun.info/
■まわしよみ新聞facebookページ
http://www.facebook.com/mawasiyomisinbun
「終戦記念日まわしよみ新聞」とか「大阪七墓巡り」を毎年「8月15日」にやったりしていますが、国際法的にも、国内法的にも、この8月15日が「太平洋戦争の終戦記念日」というのはおかしいんですな。
日本が連合国にポツダム宣言受諾を通告したのは前日の8月14日であり(国内法的にはこの日が終戦の日になるはずです)、アメリカは日本がポツダム宣言に調印した9月2日を「V-J Day」(日本に勝利した日)としているし、国際法的には日本が連合国各国(ソ連等共産主義諸国を除く)とサンフランシスコ平和条約を発効した4月28日こそが太平洋戦争が完全に終結した日になります。8月15日とは、ただラジオが「玉音放送」を流した日に過ぎないわけですな。それが終戦記念日となっていることの不思議さ。非論理性。これは結局のところ、「盆」(旧暦7月15日→新暦8月15日)という仏教的な民間信仰が背景にあるんだろうと思っています。無数の先祖が、死者が、仏さんが、彼岸から此岸に返ってくる8月15日という特別な日でなければ、日本人はあの大戦争を終わらせることが出来なかった。冷静に振り返れば、事実、この日こそが、もっとも近代日本という国家の敗北の日に相応しい。
ぼくは太平洋戦争の開始日(真珠湾攻撃)が「12月8日」ということにも奇妙な思いを抱いてまして。これは仏教では「成道会」で、釈迦が悟りを開いた日なんですな。仏教的には決して忘れることが出来ない特別な日です。成道会(12月8日)に始まり、盆(8月15日)に終わった太平洋戦争。戦争と仏教の、奇妙な、じつに奇妙な符号の一致。
仏教という大いなる物語(ナラティブ)によってでしか、帝国日本の敗北は乗り越えられなかった。「こうなるように仕組んだのは誰か?」といった特定個人のカラクリではないでしょう。ユングではないですが、日本人の「集合的無意識」のようなものが、この運命の日を自然と選んでいた。おそらくは、そういうことだろうと思います。
今年の8月15日はそんなことを思いながら七墓巡礼したいと思います。
■8/15(木)8時よりJR福島駅より【大阪七墓巡り2013~真田山・陸軍墓地で玉音放送を聴き、釜ヶ崎夏祭りの慰霊祭で祈る~】
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富永仲基一族の墓。加上論を発見した不世出の大天才。比較宗教学の嚆矢。彼はすでに天竺や唐や日本民族の「くせ」にまで言及してます。生まれる時代が100年は早かった。懐徳堂の知、恐るべし。
「第5回クリエイティブ・ツーリズム大阪~阿倍野ツアー編~」、いよいよ明日です!
http://www.facebook.com/events/587480554608758/
人間が「生生流転」するように、季節に「四季」があるように、仏教が「生老病死(四苦)」を教えるように。人間が作った都市にも「生生流転」があり、「四季」や「生老病死」の時期やタイミングがあります。完全無欠の完成された究極の千年都市なんか面白くもなんともない。むしろそれは巨大な墓標のようなものに過ぎない。都市が都市として魅力的なのは次の時代や社会、文明の方向性を指し示す「何か」を内包するからです。それはいってみれば、都市の「破れ目」であり、「余白」であり、「過剰」であり、「背徳」であり、「胡乱」であり、「違和感」であり・・・つまり、既存の概念をはみ出し、常識を揺さぶるような、いまだ言語化しえないものです。要するに都市というものは現状が焼野原でも摩天楼でもなんでもいいのですが、大切なのは、その都市の中から新しい「何か」が生まれてきているかどうか?です。儲かってるとか儲かってないとか成功してるとか失敗してるとか、そういうことではなく、いままでの都市にはなかった「何か」を感じる。「クリエイティブ・ツーリズム大阪」は、その都市の基礎条件としての「何か」=創造性を体感しようというものです。すでに20名で満員御礼ですが、あと2、3名ぐらいなら大丈夫かな?ということで、まだ参加申込可能です!ご興味ある方はぜひとも!
■7月20日(土)10時より「第5回クリエイティブ・ツーリズム大阪~阿倍野ツアー編~」開催します!
http://www.facebook.com/events/587480554608758/
関西学院大学のサイトで「終戦記念日まわしよみ新聞ワークショップ」の様子が紹介されました。これを機会に学生さんたちが自主的に「まわしよみ新聞」をやってくれたら嬉しいんですが・・・w
■関西学院大学社会学部・社会学研究科「まわし読み新聞で学ぶメディア」
http://www.kwansei.ac.jp/s_sociology/news/2013/news_20130709_008024.html
7月9日、社会学部で 「『まわしよみ新聞』で学ぶメディア ―終戦記念日はどのように報じられてきたのか―」を開催しました。まちづくりプロデューサーの陸奥賢さんをゲストファシリテーターとして迎え、神戸女学院の学生を含む、14人の学生が参加をしてくれました。この企画は初の試みでしたが、「終戦記念日」という思慮深いテーマを題材とし、戦後から現在までのマスメディアを通して読み解くことで多角的な視点や気付きが得られる機会となりました。
結局のところ、ぼくがやりたいことは「資本主義経済」ではなくて「文化主義経済」で。資本追求の代わりに文化追求を基本原理とする社会を作りたい。そこではまず「私有」ではなくて(もちろん公有でもなくて。それは結局、再分配する権力構造=共産主義ですから)「共有」することがスタンダードとなり、「自由競争」ではなくて「自由許容」することが求められる。そして資本に代わって文化を広く社会に活き渡らせるためには「文化のコンサム(消費)」ではなくて、「文化のリサイクル(再生)」「文化のリユース(再使用)」「文化のリペア(修理)」「文化のイノベーション(新活用)」「文化のブリコラージュ(細工)」などが必要になるだろうと思ってます。文化なんて、そんな簡単に一朝一夕で生産するなんてことはできないですから。江戸時代の祭礼を復活させる「大阪七墓巡り」も「盆(皿を分けること=施餓鬼)」を現代的にアレンジした「葬食」も、新聞メディアの再利用である「まわしよみ新聞」も、養蚕文明を体感する「おかいこさま」も、ぼくのやってることは、みんな同じようなことで、ひとことでいえば文化主義経済のための運動だといえます。文化の可能性を模索して、領域や活動範囲を広げ、グランドデザインを変えたい。資本主義経済はもはや完全に袋小路なので、こういう人はやがて増えるだろうという気はしてるんですが・・・。
「大阪七墓巡り復活プロジェクト2013」第4弾の告知です。第4夜は千日墓地まち歩き。そして天才舞踊家・木室陽一さんのワークショップ。木室さんはまちの音、匂い、風、気、流れ、澱みなど、あらゆるものを感知して踊ります。そしてシフトチェンジが抜群にうまい。4ビートから32ビートにシフトしたと思ったら、次の瞬間には2ビートになり、16ビートになり、変拍子になり・・・といったように緩急自在に躍ります。またワークショップが謎です。「相手の気配を察知してまちなかを順番に動く」といったようなことをいきなり素人全員にやらせたりしますw 今回もどういうワークショップになるかわかりませんが、木室ワールド全開100%はまちがいなし。ぜひともご参加を!
■8/12(月)18時よりcafé EARTHにて【大阪七墓巡り復活プロジェクト2013 七夜連続一墓巡り ④千日編】「舞踊家・木室陽一による舞踊ワークショップ」と千日まち歩き
http://www.facebook.com/events/209576585862450/
■企画概要
大阪七墓の中でも、もっとも劇的な物語を内包しているのが千日墓地。道頓堀五座と千日墓地の相関関係によって西鶴、近松、心中物、文楽、和事、粋(すい)の芸術が生まれました。語りやまち歩きで土地の文脈を知ったあと、天才舞踊家・木室陽一さんによる舞踊ワークショップで、全員参加型で鎮魂と供養のパフォーマンスを繰り広げます。【大阪七墓巡り復活プロジェクト2013】の「七夜連続一墓巡り」の第4弾企画です。
■タイムスケジュール
18時にcafé EARTH集合。千日墓地の物語を知ったあと、現地をまち歩きし、その後、木室さんのワークショップで、千日墓地界隈で鎮魂と供養のパフォーマンスを繰り広げます。途中参加、途中退場OKです。
■開催日時:2013年8月12日(月)18時~
■開催場所:café EARTH
■参加費:2000円
■定員:30名
■主催:大阪七墓巡り復活プロジェクト実行委員会
http://www.facebook.com/osaka7haka
■助成:財団法人アサヒビール芸術文化財団
■特別協賛:アサヒビール株式会社
■協力:NPOまちらぼ、café EARTH
※大阪七墓巡り復活プロジェクトとは?
「大阪七墓巡り」とは江戸時代の大阪町衆の風習で、毎年、盆になると市中郊外の七墓を巡り、有縁無縁を問わず「同じ大阪に住んでいた町衆、先人ではないか」とその霊を慰めたもの。また江戸時代の後期ともなると若い男女のデートコースとしても活用されたようで、町衆は自由闊達に「遊び心」を持って七墓巡りを楽しんだという。「大阪七墓巡り復活プロジェクト」は近代以前の大坂の都市祭礼であった七墓巡りと、町衆の「遊び心」を130年ぶりに復活させようというもので、七墓跡において語りや詩の朗読、演劇、歌、ダンス、音楽といった遊び心溢れるパフォーマンスによって、大阪の町衆の霊を慰めることを企画している。2011年春に発足。プロデューサーはむつさとし(死生観光家/コモンズ・デザイナー)。