都市・大阪に息づく古代人の信仰
2011 年 7 月 6 日
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古代、湧水処や滝場所が、聖なるもの、聖地として崇められて、やがて神社仏閣が置かれて崇められる…というのは往々にしてあります。大阪でいえば露の井(湧水)の場所にできた露天神(お初天神)、玉出の滝のある清水寺なんかは代表的なものでしょう。古代人にとって清浄な水は命そのものですから。
また湧水や滝は天変地異の予測装置にもなります。急に理由もなく湧水や滝の水量が増えたり減ったりすると、それは地下で起こった地殻変動が影響していたりするわけです。それによって「これは近く地震が起こるぞ」といった予測が可能になる。実際に阪神淡路大震災の前に、大阪の上町台地界隈の井戸が、急に水量が増えて井戸から水が溢れ出てくる…という奇妙な現象が起こっていたとか。
こういう古代人の、自然を崇める、自然に寄り添う知恵を、現代人は忘れがちですが、意外にも大阪のまち歩きで、そういう知恵を発見したりします。大阪は古い土地柄ですから、そういうことが往々にしてあるんですな。これだけ都市化された大阪のまちなかで、密かに息づいている古代人の敬虔な信仰を体感する。大阪のまち歩きの、ひとつの面白み、醍醐味、喜びです。
カテゴリー: 雑感