オープンソースと「ふくや(明太子)」と「まわしよみ新聞」
先だって株式会社メディアプラネット代表の玉川俊哉さんと、西日本新聞社の吉田 卓人さんとの会食中に出た話題。
博多名物といえば辛子明太子。これがしかし意外と歴史は新しいようで、その開発は戦後。「ふくや」創業者の川原俊夫氏の手によるものやそうです。それで面白いのが、この辛子明太子がオープンフリーソースであったということ。ウィキペディアを調べてみると…。
“川原は商標登録もせず、製造法特許も取得せずに地元同業者へ製造方法を教えたため、様々な風味の明太子が生み出され、博多名物として定着するきっかけとなった。”
http://ja.wikipedia.org/wiki/ふくや
…とのこと。明太子を独占するんではなくてオープンソース化することで同業者を増やし、切磋琢磨させ、それがブランド化、地域全体の活性化、底上げに繋がって大成功した。ええですなあ。こういう話はもっともっと世間に知られて良い。
ぼくは基本的に権利ビジネスにアンチ的なスタンスでして。発明や発案、新しい仕組みなどを独りで抱え込むのではなくて「自由に使用してええでっせ」とオープンソース化して社会全体に寄与することが尊ばれる時代に早くなればいいなあと常々思ってます。お金儲けするなら権利ビジネスがいいのかも知れませんが、そうではなくて広くシステムを解放することで、人類社会全体に貢献するという高邁な思想や風潮がもっと世の中に広がってほしい。
実際に「まわしよみ新聞」や「直観讀みブックマーカー」を「オープンフリーのワークショップで自由にやって頂いて構いません!」と日々、公言しているのは、そういうぼくのポリシーであり、美学から出ています。もちろん権利ビジネスで抱え込まないので、その分、マネタライズに苦労しますし、おかげさまで万年貧乏状態なわけですがw 儲からない美学は辛いですなあ。まあ、これはぼくの性分なんでしょう。若干、諦めてますww
なにはともあれ、博多明太子がオープンフリーソースの成功例と聞いて嬉しかったですな。博多の皆さんに妙に「まわしよみ新聞」が受けるのも、こういう気前の良さのようなものが通底しているからなのかも知れません。まあ、穿った見方かも知れませんがw