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クラウドファンディング

2014 年 8 月 13 日

クラウドファンディングってのはなかなか感動的で、色々と可能性を秘めてます。

大阪市の観光プロデューサー時代から、行政の助成金やら補助金やらはあかんという思いがずっとありました。助成金には担当の官僚がいるわけですが、どこに助成金を分配するか?いろんな学者、先生やら有識者を招いて審査するんですが、採用結果をみてもどうも首をひねることが非常に多かった。「結局、助成金ってのは、みんな他人事なんやな」というのがぼくの中での結論で。税金というのは、それを扱う官僚にとっても、これはやっぱり「自分のお金」(税金ですからみんなのお金)ではないんです。自分の懐をまったく傷めない。その結果、どうしても審査する方も甘くなってしまうし、また役所機構の場合は数年経てば担当官も部署も変わりますから。いつまでたっても審美眼なんてのは育たない。

昔の大阪にはタニマチってのがいました。タニマチは資産家です。若いアーティストを囲って、そのパトロンになる。自分のお金で芸術家を育てますから。失敗したら、自分の懐が痛む。だから自然と審査するのも真剣です。資産家はまた一流の目利きでもあって大阪には平瀬露香、藤田男爵、岩下清周、岩本栄之助、芝川照吉、小林逸翁・・・などなど伝説のタニマチにも事欠きません。審美眼が違う。おそらくは無数の失敗、えらい大失敗なんてのも経験してきたと思うんですな。しかし、そうした痛みの中から、ほんまもんを見抜く眼が養われる。

クラウドファンディングはネットを利用した寄附システムです。小口かも知れませんが、市民ひとりひとりがタニマチになる、パトロンになる・・・ということは素晴らしいことやと思うんです。失敗するかもしれませんが(『まわしよみ新聞のすゝめ』は面白いですよ!たぶん・・・)、そういう失敗を経験することで、審美眼が鍛えられるし、社会知が向上して、それに耐える、ほんまもんの何か(アートやらソーシャル・ビジネスやら)ってのが誕生してくるかも知れない。

いわば寄附の当事者性ですな。クラウドファンディングのようなシステムがもっと幅広く認知されて、世間に当然のものとなり、無責任な助成金システムを駆逐するような市民社会となることを祈ってます。


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