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大阪まち歩き大学。中寺町を歩く。常國寺さん。梶井基次郎墓。3月24日が檸檬忌。4月頭に訪れましたが墓は檸檬だらけでしたな。

2022 年 4 月 19 日

大阪まち歩き大学。中寺町を歩く。常國寺さん。梶井基次郎墓。3月24日が檸檬忌。4月頭に訪れましたが墓は檸檬だらけでしたな。

梶井基次郎は肺病みで結核だった。結核は死病であるが徐々に身体を蝕む。闘病が長い。梶井基次郎も長かった。10代半ばで発病し、10年以上の闘病生活を経て31歳で亡くなった。そのあいだに小説を書いた。

「ダモイクレスの剣」ではないが自分の身体で進行し続ける死病を意識しながら日常を生きる。特殊な精神状況であるのは間違いない。

また結核は微熱が続くという。微熱する身体の浮遊感覚の中で死の冷酷さ、冷徹さ、冷静さが行き来する。嫌が上にも感覚は研ぎ澄まされる。

「櫻の樹の下には屍体が埋まっている!これは信じていいことなんだよ。何故って、櫻の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。櫻の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。」
梶井基次郎『櫻の樹の下には』

梶井基次郎の作品には常に「死の微熱」のような特異なリリカルを感じる。稀有な作家とでしかいいようがない。


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