大阪まち歩き大学。四天王寺。聖霊会舞楽大法要。「菩薩」もいいが「八部衆」もいいw
聖霊会では「天」「龍」「夜叉衆」「阿修羅」「乾闥婆」(けんだつば)「迦楼羅」(かるら)「緊那羅」(きんなら)「摩睺羅伽」(まごらか)が出る。四天王に使える部族ですな。
江戸時代に制作された面が現役で使われているが、ところどころ剥落していて、この使用感がいい。末永く使って欲しい。新調してピカピカになったりしたらイヤやw
基本的に赤系の服の人は唐楽の楽人。緑系のの部の人は高麗楽の楽人。要するに中国の音楽(唐楽)と朝鮮の音楽(高麗楽)の共演、競演で聖徳太子の霊を慰める。
大阪は、難波津は古代の国際港で、さすがにインターナショナル。こういう唐楽、高麗楽が融合し、やがて日本の音楽、和楽となっていく。その日本の音楽の源流、ルーツのようなものが、そのまま出てくる。トンデモナイ。
こういうのがしれっとやられて、しかし大阪の人は誰も知らないというねw たまたま四天王寺にきて「あれ?今日はガラクタ市(太子市)ないん?なにこれ?お祭り?」とか宣う人がいはるとか。流石である。
大阪は歴史や文化の厚みが半端でなく、てんこ盛りにある。日常、生活、暮らしの中に平然と歴史や文化の息吹があり、根づいてある。水のように、空気のように、それらを享受している。だから、その貴重さ、凄さ、恐ろしさを知らない。無自覚。無意識。無反応。奈良、京都みたいに殊更に「歴史文化都市!」とかいわない。いわないのに、コレ(聖霊会舞楽大法要)である。感覚が完全に麻痺しております。
ま、だから国産みの難波八十島の海に、西方阿弥陀浄土の日想観の海に、ゴミの埋立島を作って拝金万歳なカジノを作ろう!とか平然といいだすんでしょうな。流石であるw
大阪まち歩き大学。本日は和泉市の北信太駅から信太山駅へ。和泉そぞろのコースをそのままw
信太山の総氏神は聖神社。聖神社は「日知り」(ひじり=聖)の宮で要するに暦、カレンダーを作る部族の神だったと思われる。信太首(しのだのおびと)一族といって彼らの後裔は「信太暦」「舞暦」という独自のカレンダーを作っていた。「幻の暦」などと呼ばれて大変、貴重なもので、もし蔵から出てきたら文化財ですわw
その信太の一族の美姫が葛之葉。大阪の名門豪族の安倍保名と結ばれて、そして産まれた子供が安倍晴明という。
安倍氏は古代は阿部氏といった。孝徳天皇の時代には阿部内麻呂など大臣を輩出したが、平安時代に入ると、あまりパッとせず徐々に没落していった。その時、起死回生に阿部氏から安倍氏に改名して登場してきたのが安倍晴明。「あべ」の「阿」は「阿(おもね)る」で「阿呆」の「阿」でもある。あまりいい字ではない。安心、安らかの「安」の字の方がいい字で、それで縁起担ぎに選ばれた…と阿倍野の古老から聞いたことがあるが、さて、ほんまかどうか…w
古代の阿部氏は政治家の一族だが中世の安倍氏(安倍晴明)は陰陽師として登場してくる。ガラッと職業が変わるが、そのターニングポイントとなったのが母方・葛之葉の信太一族との交流ではないだろうか。
阿部氏は聖(日知り)の一族の信太氏と繋がることで信太流の陰陽道を取り入れ、安倍氏となって平安京に再起をかけて殴り込みをかけた。没落一族の悲願を達成した成功者が安倍晴明なのかもしれない。
安倍保名は葛之葉と別れるが葛之葉は実は白狐の化身であり、その正体がバレたから「恋しくば尋ね来てみよ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」と涙ながらに信太に帰っていったという。この辺は意味深なエピソードというか、いろいろと勘繰ってしまう。
つまり阿部(安倍)氏は皇別氏族で名門豪族だが、信太氏は渡来系の一地方豪族に過ぎない。阿部氏は信太流の陰陽道を取り入れて出世の糸口にしたが、それはあまり知られたくない事実であった。その立身出世の手練手管の隠匿が、保名と白狐・葛之葉の異類婚姻譚や晴明の謎の出生伝説に繋がった…という気もする。知らんけどw