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2013 年 7 月 7 日 のアーカイブ

なぜ「まわしよみ新聞」がうけるのか?・・・それは小さいけれども「世界を作る手仕事感覚」があるからです

2013 年 7 月 7 日 Comments off

「まわしよみ新聞」の制作には3つのプロセスがあります。

①新聞をまわしよんで記事を切りぬく
②切り抜いた記事をプレゼンしてみんなで話し合う
③記事を四つ切画用紙に張り付けて壁新聞を作る

このどれもが欠けると「まわしよみ新聞」にならないわけで、とくに一番重要なのが、じつは「③」で。例えば新聞をまわしよんで、おもろいと思う記事を赤丸つけて、それを話し合って終了・・・としてもいいんですが、ぼくはあえて新聞記事を切り取って、みんなで1枚の壁新聞として再編集しなおすという「エトス」(型)にしたんですな。これは、おもろい記事、興味深い記事を切り取ることよりも、それを上手にプレゼンしたり、話し合うことよりも、みんなで1枚の壁新聞をクリエイト(創造)することにこそ、「トポス」(場)の面白さが最大限に発揮されると考えたからです。①と②はいってみれば「個人芸」の範疇なんですが、③は「全体芸」になるというわけです。切り抜いた記事をどういう風に並べようか?貼っていこうか?この記事とこの記事を並べたら別の意味がでて面白いのでは?どう色づけしていこうか?タイトルや日付はだれが書こうか?スキマや空白をどうしようか?イラストでも描いてみようか?・・・要するに調整や構成や交渉や編集する能力が問われてくるわけです。①と②をうまいことやれても③はダメという人が世の中にはいるし、逆に①と②はダメでも③となると俄然、力を発揮するという人もいる。こうして、「まわしよみ新聞」を作ることで、ひとつの「小さな社会」「小さな世界」を創造することになり、「社会性」「世界性」を習練するステップにもなるわけです。

また非常に重要なのがハサミやノリで新聞の記事を切り取ったり、貼ったりという作業は「手仕事」で、この「手仕事感覚」こそが脳化してしまった情報社会に、もっともロストされている感覚だったりします。子供が無意味にハサミでヒモを切ったりするように、無意味にあちらこちらの壁にシールを貼るように、「ハサミで新聞を切る」とか「ノリで記事を貼る」とかいう作業は純粋に楽しいんですな。こういう「触覚的喜び」をみんなで共有できる体験って、大人になると、まったくないですから。そういう意味でも③のプロセスは非常に重要です。

それで、このプロセスはなにかに似ているなぁ?と前々から思っていたんですが、じつはこれは河合隼雄先生の「箱庭療法」に似ているということに気づきました。「四つ切画用紙」はいってみれば「箱庭」なんですな。まわしよみ新聞はそこに「新聞記事」というメディアを置いていきますし、箱庭療法ではそこに「おもちゃ」というメディアを置いていく。新聞記事は「2次元」で、おもちゃは「3次元」という違いはありますが、メディアを置いて「小さな社会」「小さな世界」を創造するという意味では、やってることは一緒です。ちなみに箱庭療法の発案者マーガレット・ローエンフェルド(Margaret Lowenfeld)は、箱庭療法のことを「世界技法」(The World Technique)と呼んでいたとか。まさに「世界を作る」という「手作業」なんですな。

なぜ「まわしよみ新聞」がうけるのか?・・・それは小さいけれども「世界を作る手仕事感覚」があるからです。やってみればわかりますが、これは非常に魅力的な体験です。自分がなにをやっているのかわからないほどに細分化された産業社会の住人であるぼくらには、これほど魅力的な体験はありません。

■まわしよみ新聞公式サイト
http://www.mawashiyomishinbun.info/

■まわしよみ新聞facebookページ
http://www.facebook.com/mawasiyomisinbun

画像は『河合隼雄と箱庭療法』と「まわしよみ新聞」の制作の様子。

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クリエイティブ・ツーリズム

2013 年 7 月 7 日 Comments off

大阪市の観光プロデューサーとして過去5年間「大阪あそ歩」をやって、とくに元気になったのは、50~70歳代の方々。大阪あそ歩は、まちのおっちゃん、おばちゃんが主力、主人公になってまち歩きのガイド、サポーターをやっていただいたし、参加者も60歳代以上の方が非常に多かった。べつに大阪あそ歩はシニア向けというわけではなかったんですが、結果として、そうなってしまった。それはそれでええことやと思ってますが、ふと周りを見渡してみると、考えると、どうもぼくと同世代のひとたちが、10代から40代の方々が、あんまり大阪のまち歩きに参加してくれていない。まちの歴史や物語にも正直あまり興味関心がない。では、どうすれば、彼ら彼女らを、まち歩きに参加するようになるのだろうか?答えは簡単。若者たちが興味関心のあるものを見に行くツアーにすればえんや!・・・ということで、自分たちの同世代のクリエイター、アーティストが活躍、活動している現在進行形の場を訪れるツアー・・・つまり「クリエイティブ・ツーリズム」を盛り上げようと地味に動いてます。自分でもやっていておもろくて、大阪あそ歩以上とまではいいませんが、大阪あそ歩に匹敵するぐらいおもろい!と太鼓判は押せますww 7月20日に阿倍野ツアーをやります。ぜひともご参加を~!^^

■7/20(土)10時より「第5回クリエイティブ・ツーリズム大阪~阿倍野ツアー編~」開催します!
http://www.facebook.com/events/587480554608758/


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