大阪は下寺町の名刹・浄土宗大蓮寺の秋田光彦住職からのご依頼で應典院発行のフリーペーパー『サリュ スピリチュアル vol.7』の中で「宗教と観光の交差点」をテーマに小論を書きました
大阪は下寺町の名刹・浄土宗大蓮寺の秋田光彦住職からのご依頼で應典院発行のフリーペーパー『サリュ スピリチュアル vol.7』の中で「宗教と観光の交差点」をテーマに小論を書きました。「大阪あそ歩」や都市観光、まち歩き観光のプロデューサーだったぼくが、311をきっかけにして「死生観光」の必要性に気づき、「大阪七墓巡り復活プロジェクト」をはじめるに至った経緯などが記述されています。そもそも「大阪七墓巡りとは一体なんなのか?」「なぜ大阪七墓巡りがなくなってしまったのか?」といったようなこともぼくの独断と偏見ですが推論で書いています。ご興味ある方は、ぜひとも手に取ってみてください。
■大阪七墓巡り復活プロジェクト
http://www.facebook.com/osaka7haka
以下は秋田住職の記事よりシェアしました。
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昨日からお盆の棚経が始まった。いつものごとく、いつもの家々を巡拝する。ミクロで見れば、何事も例年通りに見えるが、マクロで見るとだんだんと檀家さんの事情も、寺檀関係も移り変わっているのではないか。微細な変化に敏感でありたい。
遅くなったが、サリュスピリチュアル7号が発行された。奇才陸奥賢さんが宗教と観光の小論を寄せれば、昨年のお寺MEETING「非営利組織・お寺のマネジメントを考える」のルポも。とくにお願いして国学院の黒崎浩行さんに震災以降、著しく変容する宗教学者の協働についても寄稿をお願いした。通読して、不思議な一致を感じる。「まちとひとの関係(空間軸)」を考えてきた陸奥さんは、3.11以降新たに「まちとひとの連続性(時間軸)」に着目して、死者と生者の交流・交感としての観光(死生観光というそうだ)を提示している。また、経営学者の山田仁一郎さんは、未来の住職塾などのムーブメントを「超資本主義に対する抗体」とし、「経営学を方法として取り込んだうえで、日本人が先祖から引き継いでいる人間観に基づく価値体系を見つめ直し、再生する運動」とも評価する。新しい視点だ。
日本のお盆の光景からは、そんなたいそうなビジョンは見えてこない。いや、それほど土着に根深く浸透しているからか。あるいは、伝統の大地が干涸びて、あちこちに裂け目が生じた、これは危険のシグナルなのか。いずれにせよ、そういう時、問いと問いの応酬は活発になる。それが面白い。
*サリュスピリチュアル7号は、應典院1階に設置、無償配布しています。郵送希望者は120円切手同封で應典院事務局まで。